SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

「HSP」って?―とっても敏感で繊細で動揺しやすい人がいる、ということ。

街を歩いていて、車のクラクションの音にビックリして心臓が痛くなる。破裂音といつ割れるか分からないハラハラ感が苦手で風船が大嫌い。お化け屋敷なんてとても入れない(お化け役をやったことは何回かあるけど)。

ぼくは上記に挙げたように極度のビビりである。本当にちょっとしたことでものすごくビックリする。その度に絶叫してしまうので、家族によく「あんたの驚いた声でビックリするわ」と叱られる。

なんかの病気じゃないかとも思ったが、どうもこれは特性のひとつらしいということを知り、先日1冊の本を買った。

 

HSP」という定義について。

略さずに書くと「Highly Sensitive Person」、直訳すると「過度に敏感すぎる人」という意味になる。これは決して精神障害としてカウントはされず、あくまでもその人が生まれ持った特性や概念として扱われる。もちろん最終的な判断はお医者さんに委ねることになるが、ネットやこの本である程度HSPの傾向があるかどうかはチェックできる。

これがFacebookで話題になっていたのでHSPチェックを試してみたところ、なんと「いいえ」と回答できたのはたったの3項目だけだった。ネットの心理診断は甘めに作られていることが多いのであまり信用しないのだが、さすがになんじゃこりゃ?と思い、より詳しく踏み込もうとさっきの本を買ったのだった。
 

そしたら、読んでいて心当たりのある行動がいくつも。。

以下、すべてのHSPの人がそうだ、というわけではないことに注意して頂きたい。ぼくが共感したことを書いてみる。

この本ではHSPチェック*1の他にもHSPの人がどういう傾向なのか、小出しに書かれている。「怒り・対立・涙・不安・変化・批判が苦手」「お金をそんなにもらっちゃいけないという罪悪感を抱きやすい」等々、それらは基本的に著者のヒアリング調査や研究結果に基づいて記されている。

たとえば、大学に入学したことによる環境変化についていけなくなり、1学期終了後や入学後初めて実家に戻った後に大学に復帰できないケースが多いらしい。実際ぼくも1年前期が終わった後実家から下宿に戻れなくなり、あわや中退ということになりかけたことがある*2し、中学も高校も馴染めずに入学してすぐ不登校や転学したりした。

そして、他人が何かで苦しんでいるときにもHSPはその苦しみを察知する。また、一緒にいる人の機嫌が悪いときにもその気分が伝わってくることもある。そのために、人の心を読み取る能力にも優れているとされる。

この人ものすごく怒っている、じゃどうしたら怒りが鎮まるだろう?といろいろ思案して、パッとその人の気分を楽にさせたい、というような行動をとってしまう。SNSで怒りをぶちまけてる人がいるとき、ああ違う話題で気をひかせなきゃ、と変なリプライや返信を送って火に油を注ぐのは、ぼくの悪い癖のひとつである。

さらにその敏感さゆえ、間違いを指摘する能力に長けているのも特徴だ。そういえば、小学生のころは新聞の日曜版に掲載されていた10個の間違い探しでよく遊んでいたし、今でも雑誌や新聞を読んでいてもすぐに誤記に気付くことが多い。放送の読み間違いや言い間違いにも「それ違うよ!」と教えてあげたい衝動によく駆られている。

・・・なんかぼくの昔語りのようになってしまったが、それくらい、この本を読んでいてそういや自分はこうだったな、と思い返す出来事がいくつもあった。
 

「こういうタイプの人もいるんだ」と理解すること。

あくまでぼくの過去の話や経験からHSPの特徴を抜き出しただけなので、ぼくが実際にHSPかどうかはわからないし、この本を読んで軽く調べただけでぼくHSPです!というのはあまりにも危険すぎることは十分理解している。ただ、思い返すとここでは書ききれないくらいHSPのような行動が多いのは確かだけど。

もし自分がHSPではなかったとしても、世の中には自分は大したことないと思っている言動や行動に過敏に反応して動揺してしまう、ものすごく繊細な人が大勢いることは、忘れちゃいけないと思う。実際アメリカ人の5人に1人はHSPと言われているらしい。ひょっとしたらものすごく身近にもHSPに分類される人がいるかもしれない。

それは単なる甘えだろ、もっと苦労しろ、という無責任な一言が、その人を追い詰めることがない社会になるように。

このHSPという定義については、今後も定期的に情報を集めたり、勉強していこうと思っている。

*1:ネット上で出ているHSPチェックは、たいていこの本に記されたチェックをそっくりそのまま使っているものが多い

*2:いまおもえばその後中退せずに卒業したのは奇跡だと思う。中退しなくて本当に良かった