SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2015観戦記#5 6/3vs阪神(交流戦)

今年の交流戦、甲子園開催の阪神vsロッテがとんでもないことになっている。

火曜日の第1戦、ロッテが1点差で負けている状況で9回2アウトランナーなし、しかも相手投手は阪神の絶対的守護神・呉昇桓。誰かひとりアウトになったらその時点で阪神勝利という中、根元・清田・大地が塁を埋め、角中が粘って粘ってまさかの満塁ホームラン。甲子園の夜空に阪神の勝利と風船が空しく散っていった。

で、水曜日。こんな展開など関係なく2年ぶりに甲子園のロッテ戦に参戦することになっていた。昼頃甲子園に向かい、会う人会う人に「昨日なんで来なかったの!」「来たらよかったのに!」「角中最高やったでぇ!」と自慢されて、その度に悔しがったのだが、野球の神様はまた劇的な試合展開を用意していた。
 

先発はイ・デウンと藤浪。

試合開始時点でイ・デウンの防御率は4.57、なんだ大したことないじゃんと思われるがこの人が投げてると何故か打線が鬼のように打つ。そして相手の藤浪はここのところ26イニング無失点中。まさにほこ×たての対決である。

先に点を取ったのは案の定というか、阪神だった。しかも4番ゴメスの2ラン。まあこれくらいは許容範囲、と思いきや藤浪にもタイムリーを打たれ結局毎回のように失点するイ・デウン。ついに3回終了で、ついでに捕手田村も一緒に交代させられるが、悪い流れは止められない。

2番手香月は無失点、しかしすぐに打席が回ってしまい代打を出してしまい、投手の台所事情が苦しくなる。3番手益田は交代した捕手・吉田がシンカーを2度受け止めきれず、これも響いて3失点。4番手金森も1失点し、ついに8点差。

その割に藤浪はさすが26イニング無失点とあって、初回にチャンスを作っただけ。ちょいちょい出塁するが150km/h超連発のストレートにあっさり差し込まれて凡退の山。デウンもそんなうまいこといかんよなあ、と思っていた矢先だった。
 

奇跡の7回表。

まず今江がライトオーバー。これをライトが目測を誤ったせいもあり三塁打にする。そしてこの交流戦中、なぜかやたらとツイている根元がセカンドのエラーを誘い、ついに藤浪の無失点記録が止まった。そしてここが、2日連続の「甲子園の奇跡」の幕開けだった。

代打井口さん、見事なレフト線二塁打で根元と中村奨吾を還す。清田は粘って四球を選び、鈴木大地がセンター前に運んで井口さんを還す。ここで無失点記録どころか一気に4失点*1になった藤浪が降板、あーもうこれ実質ロッテの勝利ですよねえ、とか満足していたが、ここからさらに展開する。

昨日のヒーロー・角中もタイムリーで清田を還し、ついに3点差。しかも一発出れば同点の場面で再び今江にまわってきた。そのとき急に、ライトからレフト方向へ、甲子園独特の「浜風」が吹き出した。誰かが「ええ風吹いてるぞ!」と叫んだ、その瞬間だった。

見事な当たりがセンターに飛んでった。

え、うわ、なに、うっそおおおおおおおおお。

・・・気が付いたら、7回裏に飛ぶはずだった風船がまた、空しく甲子園の夜空に打ちあがっていた。その傍らで応援仲間と涙目になりながら抱き合う。まさかのホームランで、ついに、8点差を追いついた。さらにクルーズも出塁して逆転のチャンスまで作るも、ここで根元が内角のボール球に手を出し三振。

阪神ファンはこの風船を膨らませたまま、なんと40分も待っていたらしい。

さてその後だが、大谷と西野が無失点で繋ぐ中、9回はなんと単打が出ればサイクルヒット*2の今江の大飛球が惜しくもマートンの守備に阻まれ、延長10回には代打・福浦先生がヒットを放つも奨吾・吉田があっさり三振。結果的にこれが大きかった。

その裏、順当にカルロス・ロサが登板。今成は粘られながらも三振に打ち取るも、守備固めの俊介が二塁打。代打・狩野を歩かせ、坂は打ち取った・・・と思ったらボテボテすぎて外野に抜けてしまった。これで1アウト満塁、続くバッターはよりによって鳥谷。ゲッツーはいらん、ベストは三振や、と念を送るも。

打球はものの見事にレフトへ。角中が捕るも当然ホームは間に合わない。阪神ファンの大歓声が球場を包んだ。

あー。

言っとくけどな、この試合普通は8-0で勝っとかなあかん試合やで、とグラウンドではしゃぐ阪神の選手と目の前で朗らかに六甲おろしを歌う阪神ファンに忠告したい気持ちを抑え、ぼくはロッテのユニフォーム姿のまま超満員の阪神電車に詰め込まれた。もう20分試合終了が遅ければ終電逃してた。
 

誰が悪いとかいう試合ではないんだけど。

一番よく分からなかったのが、4回イ・デウンを降板させたときについでに捕手を田村から吉田に代えたこと。結果吉田も益田のシンカーを捕れずにピンチ拡大させたし、何よりもし吉田に万が一の事があればどうするつもりだったのだろう。この試合捕手はこの2人しか登録されていなかった。

デウンが3回で降板したこと、その後つぎ込んだ投手が炎上したこと、根元があの場面で三振して流れ切ったこと(ちなみに根元はなんでもないフライを落球したり、守備で2度ほどミスもあった)、書き出すと反省点はいくらでも出てくる。だから、誰が悪いと言うよりチームで猛省すべき試合だと思う。

まあでも、デウンの勝ち運というか、負けない運は恐ろしいなあ。しばらくはある程度炎上してもいいから投げさせるべきなのではないか。正直昨日に限ってはこりゃ駄目だなーと思っていたが、まさか終盤こんな神通力を発揮してくるとは思ってもいなかった。

しかしあれだ、甲子園まで見に行って阪神に負けるとほんと悔しいな。死ぬほど悔しい。次に甲子園で交流戦ができるのは早くて再来年。なんかの間違いで来年組まれないかな・・・マジで、リベンジに早く行きたい。

*1:ただひとつエラーがあるので自責点は0

*2:そういえば、前見に行ったときも今江がサイクルに王手かけてたな