SH Diary.

かつて不登校だったひとが野球や遠出、日常とたまにちょっとまじめなことを書いてます。

なぜ「ゴリパラ見聞録」を観て「水曜どうでしょう」を思い出すのか

常日頃から地方のテレビ局が作った番組が好きで好きで仕方がないのだが、またひとつハマってしまった。福岡のテレビ西日本TNC)が作っている「ゴリパラ見聞録」と言う番組である。

福岡で活躍する芸人、ゴリけんとパラシュート部隊が視聴者に行きたい場所を聞き、あみだくじで厳正に抽選した場所に実際に赴いて依頼者に届ける写真を撮ってくるという番組なのだが、今この番組が密かな人気を呼んでいる。僕も前々から噂は聞いていたのだが、ハマったら際限なく手が出そうなのが怖かった。

で、案の定ハマった。

そして、なんかこんなパターンの番組を観た記憶があるなあ、と思ったのだが、その答えはあっさり見つかった。

水曜どうでしょう」である。

もはや説明するまでもないかもしれないが、北海道テレビHTB)の伝説的深夜番組であり、なんと今年でとうとう放送開始丸20年となるのだが、今でもなお若かりし頃の大泉洋とミスターこと鈴井貴之のご両人で腹抱えて笑う人たちは少なくない。もちろん僕もそのひとりである。

でも、なんで「ゴリパラ見聞録」と「水曜どうでしょう」にそこはかとないシンパシーを感じるのだろうか。
 

「結局、どうして面白いのか―水曜どうでしょうのしくみ」

こんな本がある。

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これは、心理学者が水曜どうでしょうの面白さを心理的側面で分析した本である。もう10年以上水曜どうでしょうを観ているし、曲がりなりにも心理学部を卒業した身でもあるので、本屋でふと見つけた瞬間に珍しくこれは買いだ、と思った本だった。

で、久々にこの本を手に取って読み返していくうちに、なんとなくこの2つの番組の共通点と面白さがわかってきたので少し考察してみる。
 

1.「一緒に旅をしている感覚」が味わえる

たぶん、この2つの番組の大きな共通点は何かと尋ねられたら、これなんだと思う。

2つの番組ともによくクルマに乗る番組だ。そのときに例えばフロントガラスから運転者の顔を正面で映す構図とか、普通にクルマに乗る上で考えられない視点にカメラを置くことはまずない。だいたいカメラ担当ディレクターが助手席から後ろを撮影したり、風景を映したりしている。

で、車内から風景を映す、ということはすなわち出演者は一切映らない。そんなときでも「うわ!すげぇ!」と普通に反応したり、時には風景がなにひとつ関係ない話題*1で勝手に出演陣が盛り上がる。それにつられて笑うことで、普通に今自分がこの人たちと一緒にクルマに乗っている感覚にさせてくれる。

ゴリパラ見聞録ではそれがものすごい顕著に出ていて、カメラ担当ディレクターが常に助手席にいるので、例えば運転するパラシュート部隊・斉藤さんが喋る様子なんかは横顔なので、もう助手席から運転者を見る視点そのものの映像でまったく違和感がない。

しかも、運転席後ろの座席にゴリけんさん、間を詰めずに真ん中の座席にパラシュート部隊・矢野さんが座ることで、助手席から後部座席を振り返った映像でもまったく違和感がなく、2人の会話の様子を助手席から少し振り向きながら聞いてるような気になれる。

極めつけは、企画の1週目の後半にある「一献」と言われる宴会の様子なのだが、カメラと相対して3人が座り、しかも3人の前にはずらっと料理や飲み物が並んでいるので、これはこっちの手元に酒やつまみを用意すればもはや普通に3人と飲みに行ってるようなものなのだ。

水曜どうでしょうはゴリパラ見聞録と比べて電車移動もちょくちょくあるが、そのときもカメラ担当ディレクター(嬉野D)は普通に座席に座り、相対する大泉さんとミスター、カメラの横にいる藤村Dとの会話を映す。これもまた、この3人の会話に自分が普通に加わってるような感覚に襲われる。

「結局、どうして面白いのか」では、このことを「幽霊の視点で、カメラの向こうに何十万人という人が一緒に旅をしている」と言うような表現をしている。ゴリパラ見聞録は5人、水曜どうでしょうは基本4人で旅をしているが、実は「視聴者」と言う形でものすごい数の人が旅に「参加」している訳だ。

しかも「視聴者」はひとりじゃないので、あのときゴリさん面白かったよねー、とか、ミスターしんどそうだったよねー、とか、実際に行ってはないその旅の出来事を容易に視聴者同士と言う旅仲間でシェアすることができる。こうなれば、ますます「旅」の疑似体験ができる、ことになる。

あーそうか、水曜どうでしょうとゴリパラ見聞録が似通ってるのはここか、と思わず膝を打った。
 

2.同じことを繰り返しやっているが、飽きない

もうひとつ、先述の本を読んで気が付いたのが、これ。

水曜どうでしょうは、一部の企画を除いてまず企画発表からはじまる。このとき初見の視聴者はもちろん、画面に映る大泉さんも今からどこで何をするのか全く知らない。それから現地へ移動して旅を進めると、誰かひとりは異常なテンションになり、そして喧嘩が勃発し、重い空気が漂うのも通例である。

例えば、四国八十八か所シリーズでは毎年大泉さんが岩屋寺というお寺で「ありがたいなぁ~」を連発し、仏の心を手に入れたかと思えばその後ディレクターと喧嘩を始める*2。これ、3回行った岩屋寺すべてで喧嘩が勃発しているんだからすごい。このように、どうでしょうの企画は大体同じような流れになっている。

で、ゴリパラ見聞録も実はほとんど流れは同じなのだ。

1週目は10時にTNCの玄関の画からはじまり、中洲川端の商店街で行き先を聞いて抽選して移動する。移動の車中で最終目的地に着くまでにここへ寄り道したいとか恋愛話とか近況とか、まあ他愛もない話がゴリパラの3人で繰り広げられ、大体ゴリけんさんがありえない噛み方をしてパラシュート部隊にいじられる。

で、ホテルから出てきた画があった後、さっきも書いた「一献」と言われる宴会がはじまる。この宴会では日本全国どこ行っても必ず刺身の盛り合わせが出てくる上、決まって焼酎を飲んでいる*3。で、酔いが回ると、大体自分の奥さんや娘さんや仕事の失敗を話し出した斉藤さんが大泣きして*4放送が終わる。

続編となる2週目は朝ホテルから出てきて、やはり目的地までにいろいろと寄り道をして(その道中のトークももちろん欠かせない)、最後に目的地で写真を撮って依頼主にメールを送り、その返信を読み上げて終わる。

これが一見マンネリだと思われそうだが、例えば水曜どうでしょうにおける喧嘩のタイミングはまちまちだし、ゴリパラ見聞録におけるゴリけんさんの噛むタイミングも言葉も全然違う。毎回同じ流れの中で一種の偶然を用いて新鮮な部分をつくりだしているので、飽きたりすることがない。

ちなみにゴリパラ見聞録の旅は2週完結型。旅が完結した翌週の放送はまたTNCの玄関から始まる。そういえば、水曜どうでしょうもひとつの企画が終わればまたHTBの玄関で企画発表をやっている*5。こんな共通点あったら、そりゃハマるよなあ、と思ってしまった。
 

ただ、ネックがひとつ。

ゴリパラ見聞録はこちらではカンテレで一応放映されているのだが、びっくりすることに「不定期放送」。つまり、次回いつやるかなかなかつかめない。静岡朝日テレビの「ピエール瀧のしょんないTV」は大阪のABCでは年に1度やるかやらないか*6なのでそれを考えたらまだ観られないことはないのだが・・・。

ゴリパラ見聞録にハマったことで、もし3人にどこ行きたいですか?と聞かれたときに使える答えを考えておかなきゃなー、と思うようになった。こんな気持ちになるのはCBCの「ノブナガ」でごはんリレーを毎週観てたとき以来だ。あのときも、どっかでエリちゃんに出くわさないかなーとか思っていた。

次福岡行ったときは是非ゴリパラ見聞録グッズを探しに行かねばならぬ、と思っている。
 

ちなみに

来月、香川で水曜どうでしょうのD陣2人とゴリけん・パラシュート部隊の3人が一緒にトークライブやるらしい。

「水曜どうでしょう」×「ゴリパラ見聞録」夢のコラボが実現!!【チケット情報追加】|番組からのお知らせ|ゴリパラ見聞録 | TNCテレビ西日本

超行きたいが、仕事だ・・・。

*1:例:水曜どうでしょうのシェフ大泉夏野菜スペシャルにおける「おい、パイ食わねぇか」

*2:通称「岩屋寺騒動」

*3:ただし矢野さんだけ酒が飲めないらしくいつもコーラ

*4:こういう面が見られることも、視聴者がゴリパラの3人とともに酒を飲んでる感覚を味わえる一因なのかもしれない

*5:新千歳空港への車中とかどこかのホテルの一室とか、一部例外はある

*6:その後、KBS京都でまさかのレギュラー放送が始まりました(2016/6/23追記)

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