SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

20代最後に最高峰の讃岐うどんと温泉に浸かる

18きっぷが1回分あまっている。そして仕事が忙しい上、強い台風が迫っている。

いろいろ考えるとこの土曜に18きっぷを使わないと使えずに有効期限が切れることが発覚したので、土曜日はそそくさと家を出る。そういえばこれが20代最後の18きっぷ旅だ。

この夏の18きっぷは金券屋で4回分を購入したのだが、盆に浜松へ行き、8月末に1泊2日で岐阜へ行った。つまり東へ向かうことが多かったので、今回は西へ。

西へ、といってもいろいろ選択肢はあるが、やっぱり瀬戸大橋を渡ることにした。

実は春、コロナ禍で自粛ムードが高まる直前にも香川に渡っている。そのときは坂出から高松近郊のうどん屋を多く巡ったこともあって、今回は高松には寄らずに香川の中西部あたりをじっくり攻める。まずは坂出から一駅、宇多津で下車してうどん屋巡りスタート。

その前にホームへ降りたらいきなりアンパンマン列車に出迎えられる。ちなみにこの日、アンパンマン列車を合計5度見かけることになる(うち1度は温泉の露天風呂から見送った)。

今回の1件目は川を渡って丸亀市にある山下うどん。ここは細めのうどんがつやつやして実にきれいだ。そしてこのいりこの風味が強いだしは香川に来ないと味わえない。つるつるっと完食して、次へ向かう。

2件目、宇多津駅まで戻って反対側にあるおか泉。Swarmでチェックインしたら5年ぶりだったらしい。もう少しブランクがあると思っていたのだが。

個人的に、このおか泉の「ひや天おろし」は讃岐うどんの最高峰だと思っている。いや、もちろん、製麺所スタイルやセルフのなかにもうまい店はある。しかしここのひや天おろしは1000円*1という値段もさることながら、ここまでうどんで感動できるのか!と思ってしまう。

透明感が高くしっかりとしたコシがあるうどん、さっぱりしただし、まったく油っぽくない天ぷら、どれをとっても一級品のひや天おろし。自分が入店して満席になり、食べ終えて出るころには行列ができていたというタイミングの良さも抜群であった。

アイスコーヒーを買って再び電車移動。久々に琴平までやってきた。

金刀比羅宮に行きたいところなのだが、実はこの日うっかり帽子をかぶらずに出てきてしまい、さすがにこの日差しで帽子もなく山頂へ向かうのは酷だと判断して断念。その代わりに日帰り温泉を利用することにした。ちなみに先週は下呂温泉で一泊している。

あとで気がついたがここ、僕が大好きな福岡の深夜番組・ゴリパラ見聞録でも日帰り入浴してたホテルだった。出たあと、すぐ横のセブンイレブンポカリスエットを買って一気飲み。

琴平でもうどん。この辺に数店舗あるこんぴらうどんの本店へ向かった。

いきなりのヤドン。「ヤドンのお揚げはじめました」というポップが目の前にあれば、ついつい気になってしまうのは当然なわけで。きつねうどんほんと久々に食べた気がする。

これで早くも帰りへ。というか、うどん食べてる間に明らかに天気が悪くなってきている。電車が丸亀駅に差し掛かるとき、いよいよ向こうに明らかな大雨が見えてきた。岡山駅に戻って知ったが松山方面はこの大雨で運転を見合わせていたらしい。

一方で本州方面はいまのところ雨も降らず、しかも乗り継ぎの便もよく琴平から2時間半ほどで兵庫県へ。ジョルダンの乗換案内はなぜか「岡山駅で50分待って赤穂線に乗れ」という謎指令だったが、実際には10分待つだけで姫路行きが来て、ジョルダンの案内より1時間半も早く姫路まで戻ってこれた。

まだ18時と時間にすごく余裕があるので、姫路城でも見ていくかーと思っていたら。

あ、これ、やばいんじゃない?

近くまで行って横断歩道を渡るついでに姫路城の写真を1枚撮り、すぐに猛ダッシュで屋根のある場所を探す。もうすでに東の空は真っ黒も真っ黒だ。10分後の雨雲レーダーはこのあたりを真っ赤に染めている。もちろん傘はない。

ようやくアーケードの商店街を見つけてそこへ逃げ込む。運のいいことにこの商店街、姫路駅まで屋根がずっと続いていて助かった。もっとも姫路駅までたどり着いたときはぎりぎり持ちこたえてくれたのだが、駅ビルで少し休憩して外に出たら

この有様だった。赤ちゃんが雷に怯えてめちゃくちゃ泣いている。しかもなぜかこういうときに変な営業のお兄さんに声をかけられ「時間がない」と一蹴するはめに。実際乗る新快速まで3分しかなかったので、ほんとに時間はなかった。

で、京都まで帰ってきたら普通に月夜っていうのがまたなんとも言えない旅の終わり。

それにしても今夏の18きっぷは本当にどの電車も空いていた。この日で言えば、18きっぷシーズンの夕方に4人がけ席を岡山から姫路まで占領できるというのはまずありえないと思う。4回使って「混みすぎて座れなかった」電車が1度もなかったのがこのコロナ禍の18きっぷの状況を言い表している。

前も書いたが、世間が新型コロナウイルスを正しく恐れているとはどうにも思えない。コロナにかかるのはもちろん怖いがコロナで客足が途絶えて大好きだった店が閉じてしまうのも怖い。経済は遅れてダメージを及ぼしてくる。今大丈夫でも、この冬を乗り越えられるかなんてわからない。

冬も18きっぷが出たら可能な限り旅に出たい。そんなことを思った20代の終わりだった。

*1:増税で値段が上がって逆にわかりやすい値段になった