SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2022夏・避暑とグルメの山梨長野1泊2日【その4:帰ってきたぞ、夏の木曽!】

その3はこちら↓

塩尻→奈良井

やーーーーーーーっと電車が動き出した。その間に座席はほぼすべてが埋まり、立つ客もかなり大勢いる中で発車。そういえば今日は山の日でお盆、さすがに混まないはずがない。隣りに座ったおじさんはこの先大阪方面まで向かうらしく、必死に乗り換えのメモ書きを再確認していた。

ここからはいよいよこの1泊2日のメインイベント、「夏の木曽」をじっくりと巡っていく。まずは定番、そして昨年も訪れた奈良井宿

駅の名所案内で、この日(8月11日)が奈良井宿の向こうにある神社でのお祭りの日だと気がつく。

ということで、今年の夏の奈良井宿はたくさんの提灯が飾られていた。昨年はちょうど1日違いだったので提灯がなかったわけだが、これまた風情があってすばらしい。

奈良井宿はここから西方向に峠が待ち構えているということもあり、山の麓に広がるこの宿場町の風景が何度見ても圧巻。


※昨年訪れた時の写真です

今年は奈良井宿でたっぷり2時間以上、ずっと散策して写真を撮るつもりだったのだが、途中でシャトルバスの乗り場を見つけた。そういえば奈良井からは隣の木曽平沢駅まで、土日祝日にこんなレトロな無料シャトルバスが出ている。しかも15分後ぐらいに来るらしい。

木曽平沢漆器で有名なエリアで、道の駅もあるようだったのでちょっと見物しに行こうかとあたりを散策しながらバスを待ってみたのだが・・・なぜかバスが来なかった。件の祭りでバスが迂回でもしていたのだろうか?

まあ来ないなら来ないで奈良井宿でひたすらに写真を撮り続けるだけなのだが。おかげで一眼レフカメラのバッテリーがほぼなくなってしまった。

せっかく時間に余裕があるので、奈良井宿から少し外れたところも散策する。奈良井川の風景がなんか、「夏休みにおばあちゃんの家に帰ってきた」ような感じがしてものすごくいい。虫取り網を持った麦わら帽子をかぶる少年が向こうから歩いてきそうな気がする。

そういえば長野に来たら必ず食べる五平餅をまだこの旅中食べていなかったので、奈良井駅の裏手にある道の駅でいただいた。

昨年と比べて今年の奈良井宿はあきらかに観光客が増えていた。それがこの日の祭りのおかげなのかどうかはよくわからないが、ひとつはっきりと言えるのはなかなか人のいない写真を撮影するのが難しかった、ということだった。

それと、1度くらいは奈良井宿にいまも残る旅館で一泊するのは絶対にやりたいなあ、と思った。
 

奈良井→木曽福島

つづいては木曽福島。昨年も奈良井から木曽福島へ移動して福島宿を見物したが、今回の木曽福島での目的はずばり「買い物」である。

たぶんここじゃなくても買えなくはないと思うのだが、昨年ふらっと入った木曽福島のイオンに、長野でしか見る機会がない果物「ワッサー」があり買って帰った。で、どうせ木曽福島を通るなら今年も買って帰ろうとまた「ワッサー」を。これで木曽福島での目的が8割達成された。

その前にセブンイレブンに立ち寄ったらこれまたご当地のお茶「おんたけ茶」なるものがあったので購入。暑かったのであっという間に消えていった。

その後は昨年とまったく同じ足湯で、この2日間歩きっぱなしだった足を休める。調べたらこの足湯、高校生のころにやはり1人で夏の松本へ日帰りで行った帰りにも立ち寄っていた。まさか15年前からこの足湯のお世話になっていたとは・・・。

そして、すぐそばを流れる木曽川にかかる橋の上に立ち、川風に吹かれながら蝉の音に耳を傾ける。これが一番の「夏の木曽の楽しみ方」だと思う。

やっぱり、今年も夏の木曽はすばらしい。

昨年の木曽福島と大きく違ったのは、やたら駅周辺が木曽義仲と御嶽海を推していたこと。木曽義仲は今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出ていること、そして御嶽海は今年大関昇進したというのが大きいのだろう(なおその後4場所で大関から陥落)。

ところで御嶽海の前に長野出身の力士が大関に昇進したのは227年前の雷電為右衛門なんですね。そりゃあそこここに御嶽海ののぼりがはためいているわけだ。
 

木曽福島南木曽

昨年の夏は少し用があったので早い目に木曽を後にしたが、今年はまだまだたっぷり満喫することができる。というわけでもう1つどこかで途中下車することにしたのだが、ここは木曽の南端、南木曽を散策することにして、次の電車に乗る。

もう昨日からずっとこのタイプの座席に腰掛けているので、いよいよ飽きてきた。

南木曽と言えば昨年の旅行記にも書いたが、中山道有数の宿場町・妻籠宿の最寄り駅。といってもここから6kmは離れているのでさすがに日没間近のこの時間からは厳しい。が、南木曽駅周辺にはもうひとつこんなものがある。

突然現れる木曽川にかかった立派な橋。これがなんと100年以上前に架橋されたというのだから驚く。福澤諭吉の婿養子にして木曽川一帯の電力開発を手掛けた福澤桃介という人物が作ったので「桃介橋」という名前がつけられている。

蝉の音と木曽川が流れる音、そして川向こうの国道を走る車の音。これが夏の夕暮れか・・・と思いながら、しばし橋と川をぼけーっと眺めていた。贅沢な旅の終わりである。
 

南木曽→中津川→金山→米原→守山→京都

これにて長野県での全行程を終了。名残惜しくも次の普通電車に乗らねばさらにどこかでもう1泊せねばならない。いよいよ薄暗くなってきた南木曽駅にやってきた中津川行きに乗れば、これまたけっこうな混みっぷりで座席にありつくのがやっとだった。

さらに乗り換えた中津川からの快速電車は途中、土岐市駅であとを追っかけてきた特急しなのを先に通すためしばらく停まる。完全に熟睡していて身体がバキバキだったので少し外に出ると、さっきまでの心地よいカラッとした陽気から一変、モワッとした暑さに早くもやられそうになる。

少しでも席に座れる確率を高めるため、名古屋のひとつ手前・金山駅東海道線に乗り換え。米原からは普通電車が待っていたのだが、途中で野洲始発の新快速があることに気が付き、野洲の次の駅・守山で乗り換えて京都に到着。すると、驚いた。

着いたのが23時前だというのにえらく混んでいる。しかも浴衣姿の客が多い・・・と思ったらどうもこの日は亀岡の花火大会だったらしい。ものの見事にバッティングしてしまった。

2年続けて行った夏の長野。蒸し暑さから解放されるだけで楽しいのだが、今年はそこにグルメ要素が重なってなおのこと楽しかった。八幡屋礒五郎の七味は本当に日々の食事を豊かにしてくれる。ワッサーも久々の西澤餅屋のおやきも本当に美味かった。

もう、夏の長野はしばらく毎年恒例にしようか。そんなことすら思った31歳の夏だった。

(おまけ)
リゾートビューふるさと」に乗っているとき、なんか知らないが車掌の帽子をかぶった女性客を見かけた。もしかしてそういうのを貸し出すサービスでもやってんのかな、と思いながらそのときは特に気に留めていなかったのだが、

その方、演歌歌手兼鉄道系YouTuberの方だったらしい。

しかもこの動画に至っては背景にちらほら自分が映ってるし。