先日、スタッフをしている教室のワークで、中学生の生徒と一緒に「偏愛マップ」を作った。
今日は中学生といっしょに偏愛マップ描いた。文字大きすぎて紙いっぱいになったうえ好きな音楽の欄書き忘れてて頭抱えた(やる気のない人間の絵については見逃してください)。 pic.twitter.com/ugritjBfyi
— Shun (@ma_ru_ko_me) 2015, 8月 10
これは、明治大学の斎藤孝教授が編み出したもので、まあ簡単に説明すると「自分の好きなものを紙にとにかく書き出した」もの。書き方は何でも良いしジャンルも自由。イラストを駆使してもいいし、マインドマップ形式で分類するのも良い。ポケモンの「ヒノアラシ」、だとか好きなものについて事細かく明記してあるとなお良い。
これを自己紹介のとき他人と交換し合うことによって、「あっ、僕もこれ好きですよ!」などと意気投合しやすい、というメリットがある。この偏愛マップには「嫌いなもの」がないから毒は無いし(毒を込めた好きなもの、もあるかもしれないが)、お互いの共通点をささっと見つけることもできる、いわばひとつの「コミュニケーションツール」だ。
偏愛マップ自体は以前、「友だちいないと不安だ症候群につける薬」という斎藤孝氏の著書を読んだことがあって知ってはいたのだが、実際にやるのははじめてだった。で、書き上げたのが上のもの。
まず使ったペンが太かったので、A4用紙に思った以上に書くことができなかった。しかも限られた時間の中だったので、生徒と偏愛マップを交換して「ああ、音楽とか書けなかったー!」などと書きそびれたジャンルも次々見つかって、くそー思った以上に好きなものって出てくるなあ、と思った。
で、なんとなくこの偏愛マップをInstagramにハッシュタグ付きでアップしたら、意外と自分の偏愛マップをアップしてる人が多くて、しかもみんなデザインがきれいで事細かく書いている。うわーこういうのすげえなあ、こんなの見たら書き直したくなるなあ・・・と思い、改めてボールペンで偏愛マップを書き直すことにした。
で、できあがったのがこちら。

クリックすると気持ち大きめの偏愛マップが出てきます。どうでもいいけど久々にスキャナを使ったな
深夜に書き始めて、やっとできたー!とふと窓の外を見たら明るかった。どうやら書くのに2時間以上かかったらしい。
僕は真ん中の人間の絵が表すとおりひどい絵心を持つ人間なので、イラストは諦めてひたすら好きなものをキーワードで書き出すことにした。その結果途中で「ああ、これも!」と思い出した好きなものがちょくちょく出てきて、なるべく同じジャンルで固めたはずが気付けば取ってつけたような書き方になってしまった(とくにスポーツ欄)。
ちなみに、Movieの欄が「ホーム・アローン」だけなのは、ほとんど映画を観る習慣がないにもかかわらず*1唯一「ホーム・アローン」だけはテレビ放送があると何があってもかじりついて観るくらい大好きな映画だから、である。
2時間偏愛マップを書いて気が付いたこと
自己と向き合う大切さ
当たり前だが、いくら「好きなもの」と言えど自分としっかり向き合わないと書き出すことは出来ない。そういえば最近、こんなに自分としっかり向き合うことなんてなかった。別にネガティブな意味じゃなくても「自分と向き合う」のって大切なんだなーと思ったし、こういう自分との向き合い方もあるんだな、と感じた。
好きなものの多さ
特に音楽に関してはアーティストと言うよりこの曲が好き、というのが多いので必然的に増えるのは致し方ないのだが、それでもいざ「好きなもの」を挙げるとこんなに出てくるのか、というのも驚いた。左上から書き出した当初、文字を小さく書いたことに少し後悔したのだが、最終的にはあっさりA4の紙が埋まってしまった。
完成後の達成感
ルーズリーフは何度もあるけど、そこそこ大きめな無地のA4用紙をこんなにもびっしり文字で埋め尽くした経験って、ひょっとしたら初めてかもしれない。最後にカテゴリーごとに水色のペンで好きなものを囲って完成した瞬間、じわじわと達成感が沸き上がってきた。久々に味わう感覚だった。
でも、意外と「好きなものを書く」って難しい
自分の中での「好き」と言うラインが曖昧だと書くのが難しい。僕はとにかく「落ち着く」「良いなあ」と思うもの(人)を羅列したけど、それでもたまに頭を悩ますことがあった。あと「なんかあった気がするんだけどなぁ・・・」と出てこない場合。まあ、裏返せばそれは「本当は好きではない」のかもしれないけど。
人と交換しなくても、自分で自分のことを知ることができるツール
自分で自分のことを知る、というのはナルシズムどうこうじゃなくてものすごく大切なことだと思う。自分は何が好きで、何に長けているのか、これがわかっていないと仕事にも響くだろうし、人付き合いにも大きく影響してくる。
改めて自分の好きなものを可視化することによって自己紹介のネタも増えるし、自分がどういう人間かも確認することができる。この夏休み、時間がぽん、と空いてちょっと自分と向き合いたいなと思ったときには「偏愛マップ」、おすすめですよ。紙とペンがあればできちゃうというのがなお良い。
そしてあわよくば、いろんな人の偏愛マップを眺めてみたいな~なんて、ちょっぴり思っている。

偏愛マップ―キラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド
- 作者: 斎藤孝
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