話は、半年ほど前にさかのぼる。
例年レギュラーシーズンより先に出される次年度の交流戦日程。2015年の中日×ロッテは千葉で3つ行われ、その年引退した中日の和田一浩が2000本安打を達成したメモリアルなカードになった。そして2016年は変わって中日のホームで3連戦。
とりあえず久々のナゴヤドームに乗り込む心積もりをしていると、なんと初戦がとんでもない球場で組まれた。
岐阜・長良川球場。
中日はもちろん、巨人もここ最近は主催試合を組むことの多いこの球場でまさかのロッテ戦。2年前まで岐阜市民だった僕にとって、ついにこの決戦*1が来たか、と即ナゴヤドームを諦めて岐阜に集中する予定を立て、チケットも知人にお願いした(ありがとうございました!)。
そして、迎えた当日。
球場外周を関西から一緒に来たファン仲間とウロウロしていると、内野席入口に見覚えのあるひげ面の男性を発見。あれ、あの人は!とほぼ同時にファン仲間と手を振る僕。
「アイザックさああああん!!!!」
Thank YOU! ナイス大声でした! https://t.co/Rw6Rg7TKV8
— Zac Ikuma ザック生馬 (@zacikuma) 2016年6月14日
数年前まで千葉ロッテマリーンズの球団側で制作していたテレビ中継でロッテのベンチリポーターを務めていた生馬アイザックさんだった。一応お礼をTwitterで送ったら引用RTで返信が来て、この人めっちゃええ人やー、と思った。
で、入場。
実は5年間岐阜市民してた癖して長良川球場のスタンドに入ったのは初めてである。
こういう中継ぎの様子がすぐ目の前で見られるのは屋外球場ならでは。
中日の選手が目の前にやってきた。ロッテファンの野次にも嫌な顔せず手振ってくれるナニータ。
スタメン。チーム内に同姓がいないのに「鈴木大」「石川歩」という謎の表記は、恐らく中日に同姓の選手*2がいることによるものだろう、とのこと。この後守備固めで出てきた岡田も「岡田幸」だったが*3、何故か「鈴木大」だけ途中で「鈴木」になっていた。
今週末女子プロ野球が長良川球場であるとのことで、始球式は女子プロ野球リーグの選手たち。
この選手たち、開場前は球場外のブースで「ぜひご来場くださーい!」と呼びかけていたのだが、ヤクルトの川端慎吾の妹とか最近Yahoo!でちょくちょく見かける「かわいすぎる女子野球選手」とか有名どころの選手まで普通にチラシ配っててビックリ。ファン仲間は一緒に写真撮ってもらっていた。
♪いいぞーがんばれーマリーンズ 燃ーえよマリーンズ~
「岐阜!マリーンズ!」の大合唱とともに幕を開けた試合は、予想外にあっさり動いた。
♪1番細谷が塁に出て、2番高濱送りバント、3番角中タイムリー・・・と、相手方応援歌「燃えよドラゴンズ」の歌詞ほぼそのまんまの先制劇。ところが4番デスパイネ・・・がホームランではなくボッテボテのショートゴロ、しかも超余裕の6-4-3コース。
・・・が、セカンドの荒木の送球が逸れてなんと一塁でデスパイネが生き残る。この瞬間、僕の中でなんか予感がしたのだが、それがものの見事に的中するから面白い。続くナバーロが岐阜の夕空に高々と一発ホームランを合法的にぶっ放して3-0。この人はやっぱ当たったら飛んでいくね。
一方、うちの先発・石川歩はビシエドにもう少しでホームランと言う大ファールをライトスタンドに打ち込まれたり、投手のバルデスにタイムリー打たれたり、とヒヤヒヤする場面も多かったが、相手の拙攻と二塁ランナー・亀澤のボーンヘッドという幸運もあり、いい感じで抑えていく。
そして幸運がもうひとつあった。
4回、ナニータの当たりがふらふらっとレフトへ。ショートの鈴木大地とともに追っていくのは、普段はDHで守備に就く機会が滅多にないレフトのデスパイネ。すると微妙なタイミングで大地が追うのを諦めた!あーこりゃポテンヒtt・・・
と思ったその瞬間、デスパイネが凄まじい見事なスライディングキャッチ。久々に「うわあああああああああ」と安堵の絶叫をかましてしまった。試合前やけに必死に守備練習していたデスパ、こんな形で見事に努力が実を結ぶとは。
謎の継投がダメ押しを呼ぶ
石川・バルデスの投手戦は満塁で清田があっさり三振した直後の6回裏、石川が平田にライトスタンドに一発持っていかれいよいよ1点差。7回も代打を出さず石川を投げ続けさせる執念の采配を見せるが、ロッテは初回の3点以降チャンスを作っても点が取れないいつものパターン。
しかしこの投手戦、最後の最後に中日が自爆した。
結局初回の3失点だけだったバルデスは8回に代打を出され、9回表のピッチャーはなんとここまで0勝7敗の山井。どういう継投よ、と敵のロッテファンでさえ首をかしげる中、目下規定打席到達者で打率最下位と不振にあえぐ清田の見事な流し打ちが、なんとライトスタンドに着弾。
えええええええええ。
興奮のあまりスマートフォンをコンクリートの上に落とす僕。その焦りで続く田村の打席をほとんど覚えていない。清田のホームランもデカいし僕のスマホが無傷なのもデカかった。8回を完璧に抑えた内に続き、9回はようやく復調した西野が平田・ビシエド・ナニータの中軸を3者凡退。
岐阜の夜空に「チ!バロッテ!We are the winner!」のコールが響き渡った。
1950年、プロ野球元年以来だったらしいロッテの岐阜での試合*4。まさかこの球場でロッテの応援ができるとは思っていなかったし、試合後岐阜の街にロッテのユニフォームを着たファンが次々いる光景は多分一生忘れられない。
舞台を名古屋に移した翌日も関谷と細谷の奮闘もあって見事勝利、阪神・ヤクルトに続いて中日戦も勝ち越しを決めた。DeNA戦が返す返す惜しいが、もう過去を考えてもしょうがない。月末まで続くビジター12連戦は勝ち越しが必須条件。でないとホークスの差は開くばかりだ。
球場でお世話になったすべての皆さんに感謝!