思った以上に安く18きっぷの余りが手に入った。で、どこに行こうか思案した挙句、今年は結局大阪では1試合しか観れていないので、久しぶりにロッテの野球を観に行くことにした。そのついでに、これまた久しぶりに東京中をウロウロすることも決定。
というわけで、金曜の夕方前に品川駅に降り立つ。途中、静岡で乗り換え待ちの間に、この先の二宮という駅で人身事故という不穏な情報も入っていたが、特段遅れなく都内に入ることができた。そしてここから、何ひとつとして行程を考えない、まさに行き当たりばったりな東京観光が幕を開ける。
品川→渋谷
まずは山手線で渋谷へ。いや渋谷ってすげぇなあと思ったのは、そこかしこで街頭インタビューをしていること。試しに「卵がけごはん」と記されたフリップを持っているディレクターに目線を送ってみるが、まったく相手にされなかったので逃げるように地下に隠れる。
ここで東京メトロ24時間乗り放題券を購入。とりあえず今日これからはメトロとJRが乗り放題という最強の布陣で、渋谷から半蔵門線に乗る。
渋谷→九段下
で、この半蔵門線でしくじった。
九段下の駅で降りるときに何かにつまづいたのだが、それはカバンのサイドポケットに入れていたはずの缶コーヒーだった。慌てて拾い上げて電車を降り、改札へ向かっていると、同じくサイドポケットに入れていた「いろはす」が、無い。
どうやら床にカバンを置いた拍子にサイドポケットのものが全部落っこちたらしく、コーヒーには気づいたけど「いろはす」には気づかないまま置いてきたらしい。まだ半分ほど残ってたんだけど、まあしょうがない。とりあえずサイドポケットはもう封印することにした。
気を取り直して、九段下といえばやはり爆風スランプの名曲『大きな玉ねぎの下で』。
これがやりたかったのだ。日本武道館の玉ねぎの下で、『大きな玉ねぎの下で』を聴く。
この日の武道館はKREVAのライブということで、「908」(クレバ)と書かれたTシャツ着てる人がわんさかいるなかで、ただじっと僕は ♪九段下のぉー駅を降りてー坂道をー、とサンプラザ中野くんの歌声を聴いていた。数度リピートして満足したところで駅に戻り、今度は東西線に乗る。
ちなみに東西線の九段下駅は発車メロディにその『大きな玉ねぎの下で』が使われている。やけに壮大な ♪屋根の上にー光る玉ねぎー! に送られながら、東西線はゆっくり動き出した。
九段下→神楽坂
実はこのあとは東西線で高田馬場まで抜けて山手線で新宿に出るつもりだった。のだが、そういえばその間にある神楽坂って行ったことないなあと思い、急きょ神楽坂駅で降りる。もう予定なんてあったもんじゃない。
神楽坂駅を出てぶらぶら歩いているとテイクアウト専門の寿司屋を見つけた。ふと覗くと、400円の寿司に半額のシールが貼ってある。ってことは・・・200円?
思わず買ってしまった。近くに見つけた公園で開封。
知らない街の知らない公園で半額寿司を食べる。これも旅の醍醐味だと思う。
神楽坂→後楽園→四ツ谷→新宿
神楽坂から適当に歩いていたら駅を見失ってしまった。さっき通り過ぎた首都高のランプは「飯田橋」だったので飯田橋駅が近いはずなのに見当たらない*1。ヤケクソになって適当な大通りを歩いていると、正面にジェットコースターらしき建物が見えてくる。あれ?
やがて右手に現れたこの白い物体は東京ドーム、ってことはあのジェットコースターはラクーア・・・気がつけば後楽園まで歩いていたようだ。新宿区から文京区に来てしまった。改めて新宿を目指すのだが、丸ノ内線で一本だと思っていたら丸ノ内線はここから大きく遠回りして新宿を目指すことに気づく。
しょうがないので丸ノ内線ではなく南北線に乗り四ツ谷に出てから、JR中央線に乗り換えていざ新宿。
これが噂のバスタ新宿かー。
タイムズスクエアあたりをウロウロしているといい感じに夕方になってきたので、日没を眺めに行こうと都庁展望室に行くことにした。
新宿三丁目→西新宿
ややこしい新宿地下を避けるために丸ノ内線に乗る。24時間乗り放題は偉大である。
で、西新宿から都庁展望室を目指したのだが・・・なんかものすごい行列なんですけど!!!!!
しかも並んでいるのは大半がアジア系の外国人。こりゃあ並ぶだけでタイムロスだと考えて都庁は断念。新宿駅まで戻って紀伊國屋書店を冷やかしながら、再び丸ノ内線に乗る。
新宿三丁目→東京→有楽町→浜松町
東京駅横のKITTEで夜の丸の内のビル街と東京駅を撮る。そのあとJRで有楽町に出て交通会館に行くものの、やっぱり閉まってたので撤退。駅に戻ろうとすると、北海道アンテナショップに人だかりができている。しかもみんなソフトクリームを手にしている。
釣られてしまった。メロンソフトクリーム。たいへん濃ゆくてうまかった。
またJRで浜松町へ。しばらく小便小僧のスナップショットを撮ったあと、東京タワーあたりを散策する。途中うっかり芝公園に迷い込んでしまい、暗がりで愛を育むカップルに白い目を次々向けられる。こっちだって邪魔したくて邪魔しに来たわけではないのだが。
浜松町→赤羽橋→麻布十番→六本木
ちょうど気温も下がって汗もかかなくなったので、このまま六本木あたりまでのんびり散歩することにする。麻布十番あたりからすれ違う人が一瞬芸能人じゃないかと勘ぐるようになったのは間違いなく田舎者の証だと思う。ある酔っ払いが某よしもと芸人に見えたが、絶対違うだろう。
で、六本木。ここで勘ぐりまくりの僕にちょっとした奇跡が起きる。
ちょうどテレビ朝日の裏手を通りがかると、スタジオで何か収録している。そしてそのスタジオに、スーツ姿の小柄な男性がいる。このとき金曜の20時40分、つまりMステの時間帯・・・えっ、ちょ、もしや、タモさん!?!?!?!?
実はこのときカバンに『タモリ学』という本が入っていた。しかも悩みに悩んで持ってきた本。これでほんとにタモさんならタモリ学のパワーすごいな・・・と思ったら、よく見たらタモさんではなかった。でも知ってる芸能人だった。アリtoキリギリス*2の石井さん。
わかりやすくいえば、古畑任三郎で西園寺警部やってた人である。
個人的には、アリキリがゲストで出てるタモリ倶楽部の「八百屋で飲む」という回が大好きなので、ちょっと嬉しかった。
六本木交差点の雰囲気にビビったので、即座に日比谷線へ逃げる。
渋谷→神田→鶯谷→日暮里
この時点で22時、そろそろ今夜の寝床を考えなければならない。
今回の東京行きでは、「きちんと風呂に入る」ことを目標としていた。ネットカフェのシャワーコーナーで汗を流すのではなく、しっかり銭湯に浸かって疲れを取る。しかし問題はどこの銭湯に行くか?ということ。
渋谷から乗った銀座線であれこれサーチした結果、オモコロライターのヨッピーさんが大絶賛してた鶯谷の「萩の湯」に行くことにした。ここで風呂に入れば、よく使うネットカフェのある日暮里が目と鼻の先なので、萩の湯でひとっ風呂浴びて日暮里で一泊というコースに決定。
と、結論が出たところで ♪そーれそれそれお祭りだ~ のメロディが聞こえてくる。どこだ?あ、神田、降りなきゃ。
山手線で鶯谷に出て、やってきました萩の湯。
いや、すごい良かった。あんな広々した炭酸泉はなかなかないぞ。半露天風呂もちょうどよい湯加減だったし、あれで460円は値打あるな・・・うちの近所のスーパー銭湯より満足度高かったかも。
このあと、やけに腹が減ったなと思ったら夕食を取っていないことに気がつき、日暮里の日高屋でラーメンと餃子を食べてからネットカフェ一泊。何の因果かなかなか寝付けずうっかり『キングダム』を読んだりしていたら・・・寝坊したのだった。
(次回へつづく)