秋ごろから携わっている会議は毎回2日がかり、宿泊付きで行われる。そして宿泊先のビジネスホテルも先方が用意してくださる。
恥ずかしながらここ10年そんなにホテルには泊まっていなかった。唯一、博多で常宿にしているカプセルホテルはあるが、だいたい旅に出ても夜はネットカフェに篭もるので、やれシングルだやれツインだ、やれ明日は朝食バイキングだ、というホテルとはほぼ無縁な生活を送ってきた。
で、この会議でちょくちょくビジネスホテルに泊まるようになって、気がついたことがある。
ビジネスホテル、びっくりするほど快適なのだ。

今回の会議を例にとってみよう。
夕方で会議を一時中断して、参加者と食事に行く。たいていの参加者はそのまま二次会へ流れるのが定番なのだが、僕は「このあとホテルこもって仕事しないと・・・*1」と参加者を見送りホテルへ戻る。
部屋に戻って備え付けの浴衣に着替え、暖房を遠慮せずにMAXにしてチェックインのときに机にセットしておいたノートパソコンを開ける。

ちなみに今回用意された部屋はよもやのツインルームだった。ツインルームの4人使用かよ、とかつて「水曜どうでしょう」で寝起きの大泉洋が嘆いていたが、こっちはツインルームの1人使用である。もっともあのころの大泉洋も六本木プリンスホテルのツインルームをシングル使用してる男、とか言ってたが。
まあそんなことはいい。この適度な高さの机とあたたかな照明、そして暑すぎるほどの暖房が、妙に仕事をはかどらせるのだ。
ここにベッドの枕元にあるアラームで「BGM」なるものをセットすれば、洋楽から邦楽まで適当なよく知らない音楽が延々と流れっぱなしになる。最近、なにかと選ぶことがストレス*2な僕にとっては、何も考えずに適当な音楽が流れるこの機能が実に嬉しい。
のどが渇けば戸棚からタンブラーと電子ケトルを取り出してお茶を淹れられる。水がなかったのでいったん外へ買いに出たが、あとで見たら「洗面所の水は飲用可能です」と書いてあった。半信半疑になりながらも翌朝はその洗面所の水でほうじ茶を淹れた。
そして日付が変わるころにシャワーを浴びたのだが、バスタオルから身体をゴシゴシ洗うためのボディタオルまでアメニティとして完備されている。僕はあかすりタオルのようなゴワゴワしたタオルじゃないと身体を洗った気がしないので、このボディタオルというのが非常にありがたい。
はじめての会議参加で久々にホテルに泊まったときは、こういうアメニティが揃っていることを見事に忘れ、タオル一式に寝間着など会議だけだというのに必要以上の大荷物で参加してしまった。またタオルも寝間着もかさばるのだ。今回はこれらを準備せず泊まったけど、なんら問題はなかった。
それに、ちょっと良いビジネスホテルだと大浴場があって、しかもそれが天然温泉だったりもする。そういうホテルに泊まったときは夜も朝も入ってやろうともくろんでいたが、いろいろアテが外れて深夜3時半に1回という中途半端な入浴になってしまった。

深夜3時半、隣のツインの外国人の笑い声とドアの音で目が覚めながらも、朝である。
ぬくぬくと起き出して浴衣から着替えて、食事会場へ向かう。そう、これが楽しみなのだ、朝食バイキング。
家では大抵食パンにイチゴジャム塗って、カップのヨーグルトをつけて終わる。そして大体朝ギリギリまで寝るので、よほど時間に余裕のあるときにしか食べない。結果11時くらいになれば急激に空腹を自覚してしまう。
ところが、ホテルに来れば朝の早起きも苦じゃないし朝食バイキングで朝から腹一杯になる。
これが凄まじくでかい。
今回は、黄色とピンクと茶色(と少しの黒)しか見当たらないこのプレートとサラダ、あとパンを3つお代わりしてヨーグルトとフルーツポンチで締めた。これが朝の8時過ぎ。移動の関係で昼のカツカレーにありつけたのは15時だったが、その7時間会議中にひとつも腹減った!と思うことはなかった。
こんなところで朝食の重要性に気付かされるとは。
確かに僕は家で文章書くよりスタバのグループ席で書いてる方がはかどる。それを差し引いたとしても、食事面や環境面でここまで仕事をはかどらせる要因が揃っているビジネスホテルって、いったいなんなんだ。昔どなたかがビジネスホテルってすごい仕事はかどるんですよね~と言っていたのを思い出した。