SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2022夏・避暑とグルメの山梨長野1泊2日【その1:紆余曲折の末、清里へ】

日帰りで木曽をふらっと訪れた2021年の夏休み。木曽福島のホテルに吸い込まれる客を見て、次こそは絶対泊まりで来るぞ!と誓ったあの夏。

・・・その翌年の夏休み、本当に1泊2日とって長野県へ行くことにした。ただし、本当は木曽で泊まろうと思ったのだが、木曽周辺はさすがに車がないと宿泊先が少ないことと、1泊2日あるならもっといろいろ足を伸ばせるなと思い、ホテルは長野市内で取った。

かくして、2021年とまったく同じ日に、2022年もまた、長野へ向かうことになった。
 

京都→米原→名古屋→

しかし、ここでひとつトラブルが発生する。

京都から18きっぷで始発を乗り継いでいけば、長野県の塩尻に11時半に着くことができる。2021年はこれで移動できた。ところが2022年、いくら調べても中津川で10分乗り換えのはずが「1時間50分待ち」という異様な乗り換え時間が表示される。おかげで塩尻には14時前にしか着けない。

さすがにこれはおかしい。しかも宿泊先を確保してからこのことに気がついた。どうすんの、これ。

真相は、名古屋から乗り換える中央西線が快速から各駅停車に変わったがために、中津川に到着する10分前に松本行きが出ていってしまう非常に使いにくいダイヤになったせいだった。その間に1本あるが、これは中津川の2駅先の坂下までしかいかない。坂下駅はまだ岐阜県だ。

中津川で1時間50分待ちならば、それこそ名古屋でのんびりとモーニングでも取ってからでも十分移動できる。このタイムロスは痛すぎる。なんとかして10分前の松本行きに間に合う手段はないのか・・・と探したら、これが見つかるもんですね。
 

→多治見→中津川

名古屋から延々各駅に止まり続ける中央西線を、多治見で下車。

あとを追っかけてきた、長野行きの特急しなの号に乗り換える。もちろん18きっぷは使えないので、これを見越してあらかじめ名古屋駅で改札を一度出て、多治見からの切符と特急券を買っておいた。ちなみに意外と名古屋から多治見まで特急移動する人が多くてちょっとびっくり。

で、これを中津川で降りれば、見事に件の松本行きが出る10分前に間に合ってしまう。1400円の追加投資がこんなにコスパがいいこともそうそうない。
 

中津川→塩尻

そこから約2時間弱、塩尻まで各駅停車の旅に戻る。

ちょうど1年ぶり、念願の「夏の木曽」。今年はすこぶる天気が良い。が、このあたりは明日のお楽しみにしておいて、今日のところは塩尻まで一気に駆け抜ける。
 

塩尻小淵沢

せっかく1泊2日長野近辺にいられるので、なかなか足が向かないエリアに行こう。というわけで塩尻からはいったん長野方面とは真逆、甲府行きの電車に乗る。

塩尻から東京方面、諏訪湖のほうへ出るのはかなり久しぶり。

小淵沢駅で降りる。10年ぶりくらいに山梨県までやってきた。それにしても塩尻から小淵沢ってこんな遠かったっけ?1時間半くらいかかった。

小淵沢からは小海線に乗り換え、避暑地として名高い清里を散歩することにする。小淵沢で40分ほど待つと乗換案内に出ていたのだが、放送ではそれよりも早い臨時快速があるよと教えてくれた。であればそれに乗ったほうがいい。

と、思いついた。
 

小淵沢→野辺山

目的地、清里のひとつ向こうに野辺山という駅がある。ここはJRの駅でもっとも標高が高い駅として非常に有名。清里を越して、行けそうなら野辺山にも行くか・・・と思って調べると、この臨時快速が着いた2分後に戻りの小淵沢行きがあるらしい。滞在時間2分・・・。

どっちみち乗り放題の18きっぷなのでキセル乗車にはならないが、2分である。野辺山駅清里駅の間には「JR最高地点」の碑があるが、当然これに行く余裕もない。まあここは10年前に行ったので、べつに車内から見学すりゃあいいか・・・と、2分だけ野辺山に行くことにした。

ところがこの判断が、とんでもない展開を生んでしまう。

小淵沢でようやく昼ごはんにできた。10年前にも買った小淵沢名物の駅弁・高原野菜とカツの弁当。これは1度食べたことがある上、苦手なセロリがしかも生で入っているので、もうひとつ小淵沢で有名な駅弁「元気甲斐」を買おうとした。ところが、売ってなかった。

セロリ苦手勢には一番ツラい「生のセロリ」が入っているのを折込済だったのだが、ないことに気がつくと口がとっさに「高原野菜とカツの弁当を」と言っていた。

・・・ええ、セロリもがんばって食べましたよ。でもこのお弁当はけっこうお気に入り。野菜がおいしいお弁当っていうのは嬉しい。

食事も終えてのんびりと小海線に揺られる。八ヶ岳高原の別荘地をすり抜ける車窓が真夏なのに涼し気に見えるのはきっと気のせいではない。

予定通り清里を通り越し、まもなく野辺山駅に到着。車窓からJR最高地点の碑を見物する。

野辺山到着。すでに戻りの小淵沢行きは反対のホームでスタンバイしている。写真だけ撮って即反対のホームへ向かおうとしたその瞬間、どえらいことに気がついてしまった。

反対のホームへ向かう手段が、よりによって踏切しかなかった。いま乗ってきた臨時快速は、野辺山が終点ではなくその先中込という駅まで行くので、道を譲るために踏切が閉まっている。あ、え、これ、向かいの小淵沢行き、乗れないのでは・・・?

ちなみにこの小淵沢行きを逃せば次は1時間半以上空く。というか、それに清里を巡ってから乗ろうとしていたので乗り遅れは即ち、清里は断念せざるを得なくなる。これはもう断念して野辺山で1時間半待つか・・・と思ったその瞬間、出ていこうとした臨時快速を呼び止めた客がいた。

その客は「小淵沢に行きたい」と言っている。もちろん逆方向なので「小淵沢はあっち」と運転手の案内を聞いた客は、即座にさっきの踏切へ向かっていった。

んん?間に合うの???

とりあえずその客についていく形で自分も踏切へ。まだ小淵沢行きは動く気配がない。その間に臨時快速が目の前を通り過ぎていき、踏切は開いた。あとは大急ぎで小淵沢行きへ・・・!
 

野辺山→清里

・・・間に合った。焦った。本当に焦った。仕事以上の焦りがそこにはあった。小淵沢行きはえらく混んでいたが、どうせ次の清里で降りるのでどうだっていい。混み合う客の頭先の向こうに、JR最高地点の碑が見えた。

というわけで、予定通り清里をまわることができそう。

少し離れたセブンイレブンでアイスコーヒーを買ったら、さすがの標高、パッケージが膨らんでいる。

ところでこの清里、かつては避暑の定番としてこの時期非常に賑わっていた別荘地だった。ところがバブル崩壊後は次々と店が閉まり、一部の建物は取り壊しすらされずそのまま放置され、もはや廃墟のようになっているものもある。

そもそも駅前にあるこの建物もなにかの店と思いきや、玄関に「入居者募集」の札が掲げてある。

この建物には「北野印度会社」の看板が放置されていた。これは「天才たけしの元気が出るテレビ」から生まれた店なのだが、だいたい「元気が出るテレビ」自体が終了してもう四半世紀経っているので、かなりこのままの状態で置かれていることになる。

清里ジャージーソフトクリーム」、こんなもんぜったい美味いやんけ!と思って買いに行こうとしたら、普通にしまっている。

明らかにバブルの時代っぽさが感じられるこの建物も、廃墟。

なんならその当時売られていた商品らしきものまで放置されている。これもいったい何年放置されているのか。

ときおりバイクに乗った人とすれ違うものの、全体的にはひっそりとした雰囲気がただよう清里。普段過ごしている関西の蒸し暑い気候とはもう雲泥の差の、暑いのにひんやりする心地の良い気候はとても気に入ったので、いっそ別荘を買おうかとか思ってしまったほどだった。

最後に清里森林浴公園なる場所を見つけたので行ってみたら、これまた人がいなくてめちゃくちゃ静かだった。いいリフレッシュになった。

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