SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2022夏・避暑とグルメの山梨長野1泊2日【その2:夜の姨捨と朝の善光寺】

その1はこちら↓

清里小淵沢

1時間半ほどの散歩を終え、清里駅に戻ってきた。

この、(たぶん)八ヶ岳の夜空をイメージした駅名標がいい。えらく駅が混んでいて、これを撮ろうとしたらおばちゃん軍団が荷物まで降ろして目前で休憩していたのだが、そのうちのお一方が「ちょっと」と、撮ろうとする自分を察して荷物を片付けてくれて助かった。

1時間半ほどぶらっと歩いただけだったが、結局ソフトクリーム屋は閉まっていたし、少し離れた清泉寮にも行くことができなかったので、かなり課題を残した八ヶ岳高原だった。あの夏の涼しさは、ちょっと癖になりそう。次は満天の星空を眺めにも行ってみたい。

小淵沢行きは混んではいたもののなんとか座ることはできた。5分ほど遅れてやってきたが、小淵沢で20分待ちなので何も問題はない。

日本一高い野辺山駅をはじめ、小海線には標高が高い駅トップ10のうち9駅がランクインしている(唯一小海線じゃない1駅も中央線で小淵沢の2つ隣にある富士見駅)のだが、なるほどこの車窓を見ればその標高も納得できる。

小淵沢駅で少し時間があったので外に出ると、向こうに富士山が見えた。
 

小淵沢→長野

さあ、ここからがかなり長い。次にやってくる電車で再び北上するのだが、これが長野行き。今日の宿泊先まで1本で移動できるのだが、長野までは2時間半の長旅となる。もっともこの電車、元をたどれば東京都は高尾からやってくるという、とんでもない電車だったことにあとで気がついた。

しかもやってきたのがボックスシートではない車両だったので、この2時間半がなかなかに遠かった。

茅野、塩尻、松本と長野県の主要都市をさほど長くない停車時間で抜けていき、まもなく日本三大車窓姨捨が見えてくる。なんでも姨捨駅、昼間に蜂が飛んでいたとかで開いている窓をすべて閉めてくださいという物騒な放送が入った。

中途半端に薄暗い車窓で撮影も消化不良。とはいえ、ここにはあとで戻ってくるしなんなら明日も通るのでさして問題はない。

この姨捨あたりはどんと流れる千曲川ではなく、千曲川に合流する細やかな川がささやかな扇状地を作り出している。この扇状地は地理の授業の地形のところでは必ずと言っていいほど出てくるのだが、これまた撮影に失敗。明日への宿題がまたひとつ増えてしまった。

よーーーーやく長野に到着。いったんはここで移動終了となる。

さて、長野の郷土料理といえばやっぱり「おやき」。ここ長野市には「西澤餅屋」という、ずいぶん前からお気に入りのおやきのお店がある。本店も長野駅から歩ける範囲にあるのだが、支店が長野駅ビルに入っているのでいの一番に買いに行ったところ、なんとうぐいすあんが1つ以外売り切れ。

さすがにこれは・・・と思い、その場で食べる分は翌朝に本店へ立ち寄ることにして、ここでは友人たちにお中元も兼ねて大量のおやきの発注だけした。ついでに自宅用にも発送しておく。

ホテルにチェックインして荷物を最小限にし、夕食に出る。長野駅ビルのレストラン街に行ってみると、さすが夏休みどこの店も混雑している。とりあえずソースカツ丼の店の順番受付に名前を書くが、昼もチキンカツ食べたしなあ・・・ともう少し彷徨ってみる。

と、気になるものを見つけたので、ソースカツ丼の店の予約を取り消し、「長野県長寿食堂」なる一瞬県営でやってるのかと思うような店の順番受付に名前を書き直す。

気になったのは、「信州サーモン」というマスの一種の刺身だった。

いや、本当は「信州サーモンの漬け丼」が気になったのだが、目の前で「準備中」の張り紙を貼られてしまった。つまり売り切れたということなのだろうが、この信州サーモンがなければ店を変えるつもりだったので非常に焦った。店員に刺身があるか確認して残っていたときの安堵感たるや。

で、この信州サーモン、めちゃくちゃ脂が乗って味も濃くたいへんに美味かった。あとで長野在住の友人に聞けばこれは県民からすればそこそこな高級食材らしく、そりゃ定食で1800円するわとちょっと納得してしまった。

そして、これ。

長野に「八幡屋礒五郎」という七味があるというのはこれまた別の友人から聞いていた。なんでも「パスタ専用七味」まであるほか、本店では自分で七味の調合もできるらしい。そしたらこの店で「味噌汁にどうぞ」とその七味が出てきて、えっ長野ではこんなにメジャーなのかとびっくりした。

どれくらいびっくりしたかといえば、普段絶対そんなことしないのに、会計時にレジのお姉さんに自ら「あの七味ってどこに売ってるんですか」と聞くほどだった。丁重に教えてくれたお姉さんに礼を述べて、この七味も土産に買うことを決定。

いったんホテルに戻り少し休憩してから、いよいよ夜の姨捨へ向かう。ちなみに泊まったホテルは長野駅のすぐ横にあったのだが、しれっとトレインビューの部屋だった。
 

長野→姨捨

22時半前という異様に遅い時間に姨捨に着いて帰れるのかと思われそうだが、姨捨駅の長野行きの最終は23時半ごろまであるので意外と帰れる。逆に言えばこれを逃せば姨捨駅で野宿確定なので、この電車に絶対に絶対に乗らなければならない。

そして、この夜景である。

あきらかに電車を使って来ていないであろう人たちもホームで夜景を眺めていた。ちなみにその人たちは長野行きの最終にも乗らなかったので、たぶんそのへんに車を置いてここまで来ているのだろう。

空気が澄んだ冬場の夜ならどんな光景になっているのかな、と思いながらも、長野行き終電までの1時間はあっという間に過ぎていった。
 

姨捨→長野

日付が変わるころに長野駅に戻ってきてコンビニへ立ち寄ると、八幡屋礒五郎の七味が普通に、しかも複数種類売られていた。なんと善光寺御開帳記念のデザイン缶まである。迷うことなく善光寺御開帳記念缶、そしてラーメン用の七味も買う。

翌朝、朝6時半に目が覚める。昨年の博多に続いて、またタイミングのよい時間に目が覚めた。すぐに支度をして、まだチェックアウトせず一時外出の形でホテルを出る。鍵をフロントに預けたとき、朝に似つかわしくない妙な匂いがしたのだが、その正体は後で判明する。
 

長野→善光寺下

向かったのは長野電鉄長野駅。地方都市ながらこの駅は地下にあり、そのうえしばらく地下鉄のように電車が地下を走っている。

この長野電鉄を3駅目の善光寺下という駅で降りる。ここもまだ地下駅。

で、この駅で降りたということは。

朝の善光寺をたっぷりと堪能するコース。

七味のデザイン缶があったように今年は7年に1度の善光寺御開帳の年。とはいえ行った日はギリギリ御開帳の期間を外れていたのだが、それでも朝7時半からこんなに混んでいるとは思ってもいなかった。こんなことなら御開帳の期間に行きたかったなーと思ったが、これはもうしょうがない。

さすがに朝7時台では参道の土産物屋も開いていなかった。ここに前述した七味を自ら調合できる「八幡屋礒五郎」の本店があるのだがもちろん開店前。まあ善光寺御開帳缶含めて2つも七味を買ってるので次の機会だな、と思いつつ善光寺をあとにする。

時間に余裕があったので、戻りは善光寺から長野駅まで歩いて戻ってきた。道中、信州大学教育学部を通りがかる。

長野市も中心部にけっこう山が迫っている。こういう風景いいですね。

ホテルに戻って荷物を片付け、iPhoneを充電する。実はこのホテル、朝食無料サービスがあったので充電の間にありがたくいただくことにしたのだが、朝食会場に入ってそのサービスのメニューに驚いた。

なんと、カレーライスだった。

道理で善光寺に向かう前、フロントで鍵を預けたら妙な匂いがしたわけだ。もちろんミニクロワッサンなどパン系も少しは置いてあったが、基本的にこのホテルの系列では一律に朝食サービスとしてカレーを提供しているらしい。当たり前だが朝食のメインがカレー、なんてホテルは初めてだ。

一瞬戸惑ってしまったが、朝から善光寺あたりを散歩して空腹もいいところだったので、もりもりと2杯おかわりしてしまった。

これでホテルをチェックアウト。次の移動まで40分あるので、ここで昨夜買いそびれた「西澤餅屋」のおやきを買いに行く。ホテルから北へ5分ほど歩いたところに西澤餅屋の本店があり、ここで3つほど購入。今思えばもっと買ってもよかったか。

長野駅に戻って職場などへの土産も買い込んだところで、見つけてしまった。

八幡屋礒五郎の店舗。しかもここでは、善光寺参道にある本店でしかできないと聞いていたオリジナル七味の調合もやっている。すでに荷物には2缶七味が入っているのだが・・・

・・・思わず1袋買ってしまった。ついでに通常版の七味缶も購入。調合した七味は缶入りに比べて倍以上の値段になっていて一瞬「高っ!」と思ったのだが、この調合した七味は缶の2倍くらいの分量が入っていて、ああ、これは逆に安いわとその後反省した。

つづきはこちら↓