SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

北陸新幹線敦賀延伸直前の北陸へ行く

3月半ば、職場の卒業式があった関係で平日に数日休みが取れることになった。ちょうどそのタイミングで、「北陸おでかけtabiwaパス」という切符が980円という値段で販売されるという情報が出た。別で特急券さえ買えば「サンダーバード」など特急列車にも乗れるらしい。

北陸は11月にも行ったばかりだが、そのときは団体旅行だったのでそのとき行けなかった場所がちょこまかとある。ということで、この切符で短いスパンだがまた北陸を旅することにした。

この卒業式にかかる休暇、タイミングが北陸新幹線敦賀延長まで1週間を切る時期だったので、とくに新幹線開業直前の福井あたりはどうなってるんだろう、と少し楽しみにしながら、旅に出た。
 

京都→金沢→富山

「北陸おでかけtabiwaパス」の乗り放題のエリアは敦賀駅から始まるので京都から敦賀までは普通に切符を買って移動する。有効期間は1日なので、今回はこれを2枚(2日分)買って使うことになった。

この日は「金沢行きのサンダーバード」が走る最後の日曜日だったこともあり確実に混んでいるだろうと思っていたのだが、予定の関係で直前までおさえなかったサンダーバードの指定席は意外と空いていて、乗る2時間前でも通路側空席の窓側を取ることができた。

確実にこのときが最後の「金沢行きのサンダーバード」と思っていたが、まさかまた乗ることになるとは。福井駅のホームは最後のサンダーバードを見たいギャラリーであふれていたが、それ以外は特に何事もなく終点・金沢へ。

今日のところは金沢はスルーして、数分の乗り継ぎで富山に向けて各駅停車に乗り換える。もちろん新幹線という選択肢もあるが、別に急いでいるわけでもないので今回はゆっくり各駅停車で。

1時間ほどで富山駅に到着。やはり関西よりも相当寒い。

もう19時過ぎなので富山にはほぼ夕飯を食べに来たようなものだったのだが、ここはやはり日本海の海鮮丼を食べたい。駅ナカの商業施設に海鮮丼の店があったのでそこへ行ってみるとあいにく満員。ただ、外にある席ならばすぐ案内可能と言われる。外はたいへんに寒かったが・・・

時間がもったいないのでその外の席に座ることにした。そしてこの海鮮丼。富山湾の魚がこれでもか!とのって2000円くらいというのが驚きである。ついてきた味噌汁がまた染み渡るほど美味かったのだが、これは間違いなく外の寒さが大きな要因だろう。

食後は来年度の地理の授業に向けて、富山のコンパクトシティ化に一役買っているライトレール(路面電車)を見物。

その後は少し歩いて、富岩運河環水公園のスタバの様子を見に行ったら意外と空いていたので入店する。この公園自体は3度来ているが、行くたびに満席だったり時間がなかったりだったのでスタバに入店したのははじめて。

ついでに夜の富岩運河環水公園もはじめて。ここは夜でも美しかった。
 

富山→高岡

この日は高岡で一泊なので、再びあいの風とやま鉄道に乗って高岡へ。ホテルにチェックインしたらまさかのPayPayがメンテナンスに入ってしまい、急きょ現金で宿泊費を支払う羽目になってしまった。余分に現金を持っていてよかった。
 

高岡→雨晴

翌朝、この旅のメインイベント・雨晴海岸に向かうが、乗る氷見線まで少し時間があったので高岡駅前の「ドラえもんの散歩道」を観に行く。高岡は藤子・F・不二雄先生の出身地。このあと氷見線でもパーマンの特別装飾の車両に乗ることができた。

雨晴海岸の様子は上記の記事でごらんください。
 

雨晴→高岡→金沢

1時間半ほど滞在して金沢へ向かう。

のだが、高岡で数分の乗り継ぎでやってきた金沢行きはあろうことに超満員。これを逃すと1時間待ちになるのでしぶしぶ乗るが、ドアの前にも多くの立ち客がいる状態がどこまで進んでもずっと続く。そしてなんとこのまま富山石川県境を越えてしまった。

これはこのまま金沢まで1時間弱立ちっぱなしだろうな、と思っていたら、たまたま津幡で目の前の席が一つだけ空いて座ることができた。が、結局このあまりにもひどい混雑は金沢までずっと続いた。

5ヶ月ぶりの金沢。あの日は大嵐だったがこの日は晴れている。というか、晴れた金沢ってもしかしたら初めてかも?というくらいあまりイメージがない。

割と直近で来ていることもあり、今回の金沢ではその5ヶ月前にできなかったり行けなかったところを中心にめぐる。まずは駅を出てそのまま近江町市場へ直行。

個人的に近江町市場に来たなら海鮮丼ではなくこの「近江町コロッケ」は絶対に外せない。

5ヶ月前は立ち寄ったらすでにその日の営業を終えており、ありつくことはできなかった。今回は今まで食べたことがなかった能登牛コロッケ、そしてのどぐろをチョイス。ここのコロッケが個人的に一番美味いコロッケだと思っている。

食後はひがし茶屋街へ。ここは2度目だが前回はなんか雨降ってた記憶があるので、晴れてるとたいへん雰囲気がいい。途中、長蛇の列になっている洋食店を通りがかり気になったが、ここがその後アメトーークの金沢大好き芸人で大久保さんが推していた店だった。行けばよかった。

続いて片町へ。少し距離があるのでちょうどやってきた周遊バスに乗る。

片町の「宇宙軒食堂」でランチタイム。ここの名物・とんバラ定食をいただく。写真がないのは、隣に座った客が料理の写真を撮ろうとしたら店員に咎められていたため。一眼レフで撮ろうとしてたのが悪かった気もするが、怒られたくないので自重しておく。

片町は5ヶ月前にも来ているが、この繁華街の雰囲気は結構好きだ。

香林坊まで歩き、長町武家屋敷跡を見物する。水曜どうでしょうの「日本全国絵はがきの旅」でも訪問した場所。ほぼそのままの構図で写真を撮る。
 

北鉄金沢→粟ヶ崎

金沢駅に戻ってまだ14時。ノープランだったのだがふと思いつき、長らく金沢に来ているが初めての北鉄電車に乗る。

今年(2024年)1月1日、元日に突如襲った能登半島地震。石川県内で甚大な被害が出た中で、金沢市内にほど近い内灘町では液状化の被害が特に顕著だった。いまはどんな状況なのか、そして現状を伝えることが地理の授業資料になるのでは?と思い、現地まで足を運ぶことにする。

最初は手前の駅までしか切符を買っていなかったが、調べると内灘町8番ラーメン付近でも大きな被害が出たようで、そこの最寄りである粟ヶ崎駅まで乗り越すことに。この駅から歩くこと20分ほど、それは突然目前に現れた。

明らかに傾いている看板と電柱。

そしてその向こうに不自然に駐車場の地面が盛り上がった8番ラーメンがある。

ちなみに手前の民家はほぼすべて「倒壊の危険あり」という張り紙がなされており、新しそうな住宅の玄関に「家族全員無事です」という旗が掲げられていた。能登半島地震発災から2ヶ月と少しという時期だったが、まだまだ金沢に近いエリアでもこの状況であった。
 

粟ヶ崎→北鉄金沢

帰りは北鉄電車の始発駅・内灘駅から乗ろうかと思ったが、30分に1本の電車が出た直後に内灘駅に着いてしまい、結局先ほど降りた粟ヶ崎駅までひと駅歩いて乗った。
 

金沢→美川

三たび金沢駅

そろそろ関西方面へ向かうが、まだ立ち寄りたいところがあるので「サンダーバード」には乗らずに各駅停車に乗る。

降りたのは美川駅。かつては旧美川町で「美川 県一の町」という看板が10数年前まで存在していたことで一部でネタにされていた地域だが、もうその看板は撤去されたのでこれが目的ではない。ではどうしてこの駅で降りたかというと、

川を見に来た。

この手取川、「石川」と呼ばれていたこともあってこのあたりが「石川県」といわれる由来となっている河川なのだが、上空から見るとこの周辺の地形が典型的な扇状地となっている。授業の資料を集めにわざわざ降りたというわけだ。

平面で見るとわかりにくいが写真があればどうとでもなるので、数枚撮影して再び南下する。
 

美川→福井

そういえば北陸本線、さっきから乗る電車はすべて各駅停車だがどの電車に乗ってもけっこう混んでいる。美川から乗った電車もほぼ満席で、加賀温泉駅まで来てようやく窓側の席の客が降りるほど盛況だった。

富山、金沢、とまわっているのでここまで来たら福井にも立ち寄る。ちょうど駅を歩いていると新幹線が来そうな気配だったので待っているとやってきた。開業5日前とあって、おそらく実際の時刻に合わせて試運転をやっていたのかもしれない。

新幹線開業に伴って福井駅も大きくリニューアルされた。

それと同時に福井駅周辺も再開発が進んでいるようで、駅ナカの商業施設はもちろんきれいなビルが多く立ち並んでいた。これが「新幹線開業」の効果なのか・・・と感心する。

さていい時間なので福井では夕飯タイムとする。福井に来たならやはりヨーロッパ軒のソースカツ丼はおさえておきたい。以前、エビフライだけテイクアウトしたヨーロッパ軒総本店が福井駅から15分くらいのところにあるのでそこへ向かった・・・のだが。

まさかの定休日!

一気に夕飯難民になりかねない大ピンチが訪れたが、福井の名物はなにもヨーロッパ軒だけではない。もうひとつある「越前おろしそば」に方針を変更し、ヨーロッパ軒総本店にほど近い店へ。

ものすごくカツ丼を食べたかったのでそばとカツ丼のセット。やはり旅先のそばはとても美味い。

この北陸新幹線開業のポスターがどう見ても福井駅なので同じアングルで写真を撮ろうとしたのだが、こんな高台から駅を見下ろせるアングルを見つけることができなかった。たぶんドローンかなんかにカメラをつけたか合成で撮っているのだろう。
 

福井→鯖江

福井駅に戻ると、乗ろうとしていたサンダーバードのひとつ前に出る各駅停車に間に合った。つまりサンダーバードが停まるどこかの駅にもうひとつ降りられるのだが、ちょうど授業で鯖江のメガネフレームの話をする予定があったので、それならと鯖江へ向かう。

降りた瞬間からメガネフレーム推し。

20時半だったのでもちろん観光地はほぼ閉まっていたため、駅前で資料を撮ってすぐ戻る。
 

鯖江→京都

これで全行程終了。前日、金沢まで乗って以来のサンダーバードで京都へ向かう。結局昨夜の富山からここ鯖江まで、ずっと各駅停車で移動してきたことになった。

もう次の土曜日には、この線路をサンダーバードを走ることはなくなる。まぎれもなく「鯖江駅からサンダーバードに乗る」という経験は、最初で最後になる。

敦賀から京都までは北陸おでかけtabiwaパスのエリア外なので車内で清算し、今回の旅もおしまい。

正直、(母の体調のこともあり)直前まで行くかどうするか悩んでいて、ほぼ思いつきのような行程だったが、ずっと行きたかった雨晴海岸や手取川を見ることができて、しかもそれが今年の授業資料にも役立っているので行ってよかったのだと思う。