SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

だから僕は明日も千葉ロッテマリーンズを応援する

うちの教室では、よく先週の授業で立てた1週間の計画や予定を振り返る時間を取っている。

そのとき、少々無茶な予定を立てたせいで計画を完了できない生徒が、できなかったことや失敗した事実をただひたすら、つらつらと書くことがある。もちろん、それらを内省するのは大事なことだが、逆にそれはもう終わったこととして捉えることも同じくらい大事なことだ。

できなかったのはもうどうしようもないから、じゃあ明日からどうやって過ごしていくのか、何をやるのか考えてごらん。

こう言うと、生徒はようやく明日につながるような振り返りをはじめる。「先週は遊んでばかりだった」「親がうるさい」という文章が「今週は数学(のプリント)を10枚やる」「親に言われる前に行動する」と変化していくのを、僕はふむふむ、と思いながら書いている後ろで見守る。

僕の応援する千葉ロッテマリーンズが勝てない。

オープン戦はたったの2敗で切り抜ける好調っぷりだったのに、なんでこんなにさっぱり打てないのか。抑えられないのか。訝しげに思う野球関係者はきっと多いだろう。今やチーム打率は2割を大きく下回り、あらゆる数値がリーグ最悪な状態。気づけば7勝20敗(5/5時点)という散々な成績である。

5/5の負けは堪えた。細谷のタイムリーで2点先取して、涌井が7回を0点に抑え、8回は内がつなぎ、いよいよ9回益田で締めた!と思ったらその益田が2発ホームランをぶち込まれ大逆転負け。しかもうち1本は昨年うちの不動の4番だったデスパイネに打たれたものだから余計に堪える。

やれ益田が悪い、先制したのに中押しダメ押しできない打線が悪い、デスパイネは何を古巣に恩返し・・・試合後のTwitterのタイムラインは、あらゆる罵詈雑言が飛び交っていた。中には伊東辞めちまえとか全員クビだとか、過激な言葉で煽る輩もいる。

これで5連敗、しかも前日までの日本ハムとの最下位攻防戦を見事に3つすべて落とした矢先のこのゲームは確かに怒ったってしょうがないとは思う。遠方から千葉へ足を運び、決して安くはないお金でGWの人混みに耐えながら観せられた試合がこれじゃあ、ガッカリするのも当然だろう。

そこを否定するつもりはない、でもひとつ考えてほしい。

その罵詈雑言を浴びせることで、益田が打たれた2本のホームランがなかったことになるだろうか。

ならないだろう。そんなことができるのはパワプロぐらいなもんだ。僕だって、パワプロで使った清水直行小林宏之がボコボコに打たれて、キーッとなってゲームボーイの電源を落としたことは何度もある。

でも、そんなことやったって、残るのは虚しさだけなのだ。それはベニーのホームランが巻き添えでなかったことになったせいかもしれないけど、再びゲームボーイの電源を入れて「パワプロクンポケット!」という声を聞くと、おれはいったいなにをやってるんだろうとよく思った。

それは、いつまでも変えられない過去に執着しているからにすぎない。いくら益田に楯突いたって、ソフトバンクの悪口を言ったところで、あの日益田がデスパイネと上林に打たれた2本のホームランは帰ってこないのだ。残念ながら、これは受け入れるしかない。

だったら、明日勝つために何ができるのかを考えるべきなのではないか。

たとえばゲーフラを作る。明日はちょっと大きめの声を出してみる。神棚に祈ってみる。突然いきなり大砲とか大エースを呼ぶのは無理だけど、その他にも考えればいろんなことができる。もちろん、プレーするのはほかでもない選手なので、僕らがそれをやってそれで勝てるかどうかは別問題ではある。

○○のアホ、お前なんて2度と観たくない、と汚い言葉で罵る野球って、楽しいものなのだろうか。むしろしんどさが倍増していないか。それなら観ないほうがいいし、そんなことを言ったって明日の勝ちにつながるとは思わない。

うちの生徒によく言ってるように、明日の勝ちのためにできることを考えたほうが精神衛生的にも絶対良い。まあ、ファンの向き合い方は人それぞれでいいと思っているのでこの考えを強要するつもりは毛頭ないけど、その姿勢じゃしんどくないですか?というのがちょっと心配なのだ。

選手にはあまり文句を言いたくない。でもひとつだけ言わせてほしい。

この悲惨なチーム打率の中、ホームでの試合後はここ最近毎回居残り練習をやっているらしい。ナイターがいくら遅く終わろうと日付が変わるころまでひたすら打撃練習をやるのはまあ良い。でもそこにちゃんとした目標やゴールは必ず持っていてほしい。もうやってるわ、と言われそうだが。

何か目標やゴールがあれば、野球に限らずいろんな物事へのやる気が生まれる。それが才能を伸ばす力にもなる。たとえば僕は今読書がすごく楽しいのだけど、それはあるとき授業や仕事先で書くブログのネタに使えることを発見したからだ。そこでの知識が役立つことを知ると、急に世界や習慣が変わった。

試合後ならば翌日の予告先発が発表されている。フォークは捨てて直球に狙いを定めるとか、粘って粘って好球必打とか、作戦はいくらでもあるし、いくらでも準備はできる。今日はカーブを打てなかったから、と対策しておくのでもいい。とにかくなにかハッキリとしたゴール設定が欲しい。

そういう前提の打撃練習ができているなら、どんどんやるべきである。

でも、ただ闇雲に「今日打てなかったので試合後練習します」じゃやらないほうがマシだと思うのだ。

ここ最近を見ていると、ミスを怖がって消極的になってバントを失敗したり、えらく中途半端なスイングをしているような気がする。そういう自信のないプレーは観たくない。別に勝てなくてもいいから、堂々と、地に足をつけてどんなに劣勢でも最後まで諦めない姿勢を見せてほしい。

だから僕は明日も千葉ロッテマリーンズを応援するのだ。