SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2021秋・どこでもきっぷで西日本右往左往2000km【2日目:山陰編】

1日目はこちら↓

8時前に博多を出る新幹線に乗らなきゃいけない、つまり遅くとも7時に起きる必要がある、でも昨夜は23時半に「ウエスト」でうどん食べちゃった、という状況ながら、目が覚めたら6時20分だった。こういうときに普段出勤日に6時半に起きる生活リズムが役に立つ。

二度寝したらかえって危険なので、チェックアウトして予定前倒しで博多駅に向かい、乗れそうな新幹線に乗ってしまうことにした。
 

博多→小倉

土産をしこたま買い込み、新幹線ホームに上がると、先発の「のぞみ」としてN700系の新型車両が止まっていた。

さて2日目はさっさと九州を離れ、いったん新山口まで戻る予定を組んでいる。で、適当に乗ったこの「のぞみ」、小倉の次は徳山に止まると言っている。徳山は新山口のひとつ先、ってことは、新型車両に乗ったはいいがさっさと小倉で降りなきゃいけない。

この後の行程でちょっとした事情があるので、なるべく早く新山口に着いておきたい。じゃあ次の「のぞみ」だなと思ったら、これは小倉を出ると広島まで止まらない。その次の「のぞみ」なら新山口に停まる、って、これハナから予定してた「のぞみ」じゃないか。

と思案していたら、いきなり車窓が濃霧でびびる。しかし関係なく小倉に向けて爆走する「のぞみ」、数分後にはすっかり霧も晴れて小倉駅に到着。ここで降りそびれたら、今日1日の行程が台無しになってしまう。

結局小倉で40分ほど時間を潰すことに。とは言っても特にやることもないので、駅前に佇んでみたり、あと土産物屋を覗いて土産を追加購入していたら、あっという間に当初の予定の「のぞみ」がきた。今度はこれに乗れないと今日1日の行程が台無しになってしまう。
 

小倉→新山口

特にやることもないと言いつつ、小倉駅では朝食を調達した。本来なら「ウエスト」だったはずだし、なんなら小倉には駅近くに24時間営業の「資さんうどん」というこれまたうどんの名店があるのだが、買ったのは朝食と言うにはなかなかヘビーな二段弁当。

ただ、この「大名道中駕籠」という駅弁は前から非常に気になっていた、かつあっさり売り切れるほどに大人気の弁当だったので、まさか小倉駅で降りてすぐ下の弁当屋に大量陳列されているとは思わなかった。速攻でお買い上げして食べてみるとこれは確かにうまい!

期せずして福岡名物かしわめしもいただくこととなり、大満足で九州を離れることになった。

余談だがこの「大名道中駕籠」を知ったのはほかならぬ『ゴリパラ見聞録』である。昨日TNCで写真を撮ったあの2つのローカル番組は、確実に僕に福岡のディープな食事情を教えてくれている。やっぱりローカル番組っていいですね。
 

新山口出雲市

さてそんな話はさておき、約19時間ぶりの新山口駅で乗り換えるのはまたも山口方面。これ実は瑠璃光寺のあと博多まで往復しているだけ、という見方もできる。なのでまたエジプト展を見に行く・・・わけではなく、乗るのは特急「スーパーおき」号。これで一気に島根県出雲市へと向かう。

で、この特急、途中から風光明媚な日本海沿いをひたすら進んでいく。なのでやはりここは海側の窓際席を確保しておきたい。乗車時間も4時間近くあるので指定席を抑えておきたいと思ったら、海側の指定席はとっくに完売してしまっていた。

というわけで、ここはとことん海側にこだわるべく、あえて自由席に並ぶというギャンブルに賭けてみることにした。「なるべく早く新山口に着いておきたい」と書いたのは、そういう事情にある。

新山口駅のホームに降りると、もうすでに1両のみの自由席に列ができていて一瞬焦ったものの、なんとかギリギリで海側の窓際を確保できた。っていうか、けっこう混んでた。そりゃあ海側の指定席が全部売り切れるわ。自由席もしっかりと、海側の窓際席から順番に埋まっていたのは言うまでもない。 

とはいえ海が広がるのはこの先の益田という駅を過ぎてから。しばらくは山の中を進んでいく。途中津和野のあたりから広がる車窓の家々には赤い屋根が目立つが、これは中国地方の山間部に特徴的な石州瓦を用いた住宅である。

で、その益田の駅で少し席を立って戻ると、益田から乗ってきたおじさんが思いっきり自分の席に座ろうとしていた。いや目の前の網ポケットにお茶挟んでるやん。「そこ座ってるんですけど」と慌てて声をかけて移動してもらい、一番重要な海が広がる車窓をなんとかキープ。

そしていよいよ真打ち登場。こりゃすごい。すごすぎる。ずっとボケーッと車窓を眺めていた気がする。気がつけば「まもなく出雲市」の放送が流れていた。
 

出雲市出雲大社

実はこのあたり、なんか動物とぶつかって止まってるイメージがあったのだが、ほぼ定刻でたどり着いた。とはいえ時刻は正午も過ぎていて、この日の午前はまるまる移動で潰れることになった。

ところで実は出雲どころか、島根県に来ることすら31年の人生ではじめてのことである。であればやっぱりここに行かないわけにはいかぬ、ということで出雲大社に行くことにした。

というわけで、一畑電車に乗り換え。

途中の川跡という駅で乗り換えるのだが、ちょうど降りたらすぐに出雲大社前行きの電車が来た。

そしたらやたらと豪華な内装でびっくり。

ついでにすれ違った電車に「しまねっこ」が描かれていて、ああ島根だ!と実感。

そして出雲大社。まあめちゃ人が多かった。神在月のシーズンだったことも大きかったかもしれないが、スタバにしろ出雲そばの店にしろどこもかしこも大繁盛。実は昼は出雲そばを、と思っていたのだが、急きょ断念して早々と出雲市駅へ戻ることにした。
 

出雲大社前→出雲市

出雲大社前からの電車は、今度は座席の向きが全部窓側というこれまた特徴的な内装の電車。もっとも出雲市駅に行くならまた川跡で乗り換えということで乗った時間も短かったのだが。

出雲市に戻ってきてコンビニでお茶を買い、次の電車の時刻を確認すると数分後に各駅停車が出るらしい。でも昼がまだなので出雲そばをいただきたい。ちょうど駅の食堂で出しているようなのでそこで食べるという選択肢になってくる。

ところが数分後の各駅停車を逃すと、次は1時間後の各駅停車までないことがここで発覚。あれ?30分後にある「やくも」に乗ればいいと思ってたんだけど、と思ってよく確認すると、なんと1時間に1本あるはずの岡山へ向かう特急「やくも」が、コロナ禍で2時間に1本に減らされている!

つまり「30分後にあるやくも」は、これでそもそもなくなっていたのだ。ちなみにこのあとの旅程でもこの「コロナ禍による運休」が大きくのしかかってくることが多々出てくる。

・・・えーと、とりあえずどうしよう。先に進むか、そば食べるか。

はい、そばを取りました。

しかもこの出雲そば、よくわからずに均等につゆをかけて食べたのだが、本当の食べ方は1皿にまるごとつゆを注いで、食べ終わるたびに新しい皿につゆを移す、という食べ方が正解だったらしい。あまりに痛恨すぎるミス。これはリベンジに行かねばならぬ。

でも旅先のそばってなんでこんなに美味いんでしょうかね。

結局その後約1時間出雲市駅で時間を潰し、ようやくやってきた各駅停車に乗り込む。
 

出雲市→松江

この先には宍道湖という日本有数の汽水湖がある。次はそれを眺めに行こうと宍道駅で降りようとしたのだが、

うっかり眠ってしまい目が覚めたら宍道を通り越してしまった。滅多にやらない寝過ごしをなぜここでやらかす。

来た道を戻るにしても1時間に1本とかなので、これはおとなしくスルーしたほうが得策だろう。で、改めて検討し直した結果、松江の駅を降りて少し行ったところの公園がまさに宍道湖畔のようだったので、そちらへ向かうことにした。

というわけで引き続き宍道湖沿いを移動して松江へ軌道修正。この軌道修正が、この旅最大の「奇跡」を起こすことになろうとは、このときなんにも気がついていない。

さて松江駅近くにある宍道湖畔の公園「白潟公園」に来ると、ちょうど湖の向こうに夕日が沈もうとしていたその瞬間であった。宍道湖を眺めたらちゃっちゃと次の「やくも」あたりで移動しようと思っていたが、これは流石に予定を変更。

実はこの日は5年前に亡くなった父の命日で、ちょうど父は夕日が沈んだ直後に息を引き取ったこともあってしばらく宍道湖を眺めながら感傷に浸っていた。
 

松江→米子

水平線の向こうに太陽が沈んだのを見届けて、大慌てで旅程に戻る。なんせ次の電車は10分後、松江駅まではちょうど1km。これに乗れないとまた1時間待たされる。

ホームに上がったらちょうど乗る米子行きが来たところだった。あぶねえ。

あまり山陰地方の各都市の距離感が分かってなくて、出雲市から松江、そしてこの松江から米子も15分くらいあれば着くのかなあと思ってたら、各駅停車だとそれぞれ30分かかるのが少し驚きだった。米子に着くころにはすっかり夜の帳が下りていた。

米子ですぐに出て行った鳥取行きがコナン仕様。さすがは青山剛昌先生の故郷である。

そして境港行きはゲゲゲの鬼太郎仕様。さすがは水木しげる先生の故郷である。

さて時間はまだ18時過ぎなのだが、今後の行程を考えるとここで夕飯を取っておく必要がある。鳥取には「牛骨ラーメン」と言うご当地ラーメンがあるので冷えてきたしこれがいいな、と思い、適当に検索した店へ向かう。

駅を出て信号を渡り少し歩き、右に曲がってまた右に曲がり、信号を渡って店に着いたら、まさかの米子駅の駅舎の隣だった。駅を出る必要がなかった。

サザエさんを見ながらしみじみとうまいラーメンをいただく。なんかものすごい旅をしているような感覚になった。

米子→岡山→新大阪

1時間半はあっという間に過ぎ、特急「やくも」で岡山へ向かう。ここで6回の指定席枠を1回使用。

と、友人が別のきっぷで岡山を旅していて、どうやらまだ岡山駅にいるらしい。で、自分も岡山へ向かってることを告げたついでに、何時の新幹線に乗るのか聞くと「21:44発ののぞみ」と言う。

ちょっと待った、それ岡山から乗ろうとした「のぞみ」やないか!

果たして岡山到着後ホームに向かうと、本当に友人はそこにいた。「なんでおんねん?」と驚きを通り越して呆れながら写真を撮る。しかも友人はちゃんと次の「のぞみ」の指定席を取っていた。

一方でまあ名古屋行き最終だったら自由席でもいいだろ、とたかを括っていた自分はその混み具合にまた驚愕し、空いている席を探すのにたいへん苦労した。ようやっと最後尾にひとつ空席があって座ったが、この日はハロウィンで、なぜか仮装して乗る客もいてそれにも驚いた。
 

新大阪→京都

当たり前のように新大阪でも同じ新幹線を降りた友人と出くわし、逆方面へ向かう友人に博多土産をおすそ分けして別れる。そのまま在来線に乗り換えて京都へ向かいこの日は終わり、と思ったら。

なんと乗った新快速が踏切で緊急停止。非常ボタンを押されたらしい。とくに乗り継ぎが関係ない、というか旅程にさして影響のないところだったのが不幸中の幸いだった。結局京都到着は20分遅れてこの日は終了。

ちなみにこの踏切、この前後にイタズラでよく踏切の非常ボタンを押されていたらしく、これもイタズラだったんじゃないのか?と思っている。

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