SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2023夏・東北社会見学ツアー【その3:夜の仙台で危機一髪】

その2はこちら↓

松島海岸→宮城野原

塩釜あたりまで行けばそこそこあるのだが、このあたりの仙石線は本数が少なく、20分ほど待ってようやくやってきた。これで仙台市内へ戻るのだが、仙台駅やホテルの最寄りであるあおば通駅では降りず、仙台の2つ手前・宮城野原という駅で降りる。

この装飾で、この駅の近くに何があるかがすぐわかるだろう。

しかし出口がものすごい。

というわけで、楽天モバイルパーク宮城を見物にやってきた。

ところで、ホテルで「牛肉ど真ん中」を食べている間、カードキーを差して勝手に点いたテレビでは高校野球宮城大会の決勝戦が放送されていた。なんか見たことある球場だなあと思ったらそこは楽天モバイルパーク宮城。これから行こうとしていた球場である。

今行ったらおそらく代表決定の瞬間に突撃してしまうことになるな、と思い、いったん松島を経由して夕方遅くに球場へ向かうことにした。しかし宮城野原駅の改札を出るといきなり「IKUEI」のジャージを着た生徒とすれ違う。ちなみに「IKUEI」こと仙台育英高校は見事優勝した学校である。

駅を出て球場へ向かって歩いていると、もう次々と仙台育英の生徒とすれ違う。時刻は18時半過ぎ、もうとっくに試合は終わっているし宮城大会の閉会式も片付いているはずなのに、いったいなぜ??

謎は、すぐ解けた。

誘導員までつけてやたら車が出てくる施設、なんとここが仙台育英の校舎だった。そうこうしているうちにもどんどん生徒がテンション高く校舎を出てゆく。球場まで歩いて5分とかからない場所、つまりうちの平沢大河はここで3年間野球に打ち込んでいたのか。

そして球場外周にやってくると、これまた人だかりができている。よく見たら野球のユニフォーム姿の人が数名いて、彼らはなんと銀メダルを胸にかけている。どうも仙台育英に敗れ準優勝の仙台城南高校の選手たちらしい。まだ高校野球の残り香がそこにはあった。

スマイルグリコパークの観覧車と、ついさっきまで決勝戦を行っていたグラウンド。次はロッテ戦で来ることになるだろうな、ここは。

夕暮れ美しい仙台市内をのんびりと歩き、仙台駅まで戻る。仙石線に乗っても良かったのだが、こういうところはせっかくなので自分の足で歩いていきたい。榴ヶ岡の駅まで来るころにはすっかり夜の帳が下りていた。

仙台駅に戻ったところで夕食。ここはやはり牛タン定食である。悩んで入ったのは「利久」。分厚い牛タンは想像以上に柔らかく食べやすいのが大きな発見だった。当然あっという間に麦飯が消えていく。

食後はずんだ茶寮へ。ずんだシェイクって仙台に行くとみんな飲んでるイメージがあったが、なるほどこれはたしかに美味い。

またホテルへ戻り荷物を整理して、再び仙台の街へ出る。本来ならこの後行きたい店があったが特別営業日で通常営業をしていないため断念し、仙台城跡を目指す。

やや遅い時間なのでバスなどの手段への期待が薄いので、少し距離はあるがホテルから歩いて向かうことにした。その2で書いたが、仙台城跡は夜に伊達政宗騎馬像をライトアップしている。しかも23時までやっているらしいので、これを見物に行く。

大町西公園を過ぎて広瀬川を渡れば、もう仙台城跡は近い。別に世代でもなんでもないが、さとう宗幸の『青葉城恋唄』の歌い出しがリフレインする。

しかしここで大問題が発生する。

広瀬川を渡った時点で上の方に紫色の光が見えていたので、たぶんあれが伊達政宗だろうなあとは思っていた(2つ上の写真にも紫色の光が写っている)。のだが、伊達政宗騎馬像へ近づく手段がまったく見つからない。ええと、これ、どこに行けばいいのだ?

と思い、とりあえず案内看板通り進んでみたら、ガチの山道だった。いやこれはまずい。夜の9時半にこんな道行けるわけがない。

Googleマップで再検索したら、やはりこんなガチの山道ではなく城跡に向けて道がきちんと整備されていた。そりゃそうだろう、そうじゃなかったら歩いてあのライトアップを見に行く手段がない。ここはGoogleマップの指示に従い歩いていると、なんと曲がれと指示された道にバリケードがある。

え?

災害により通行止め・・・?

これは完全に終わったか。と思った横に、

「歩行者なら通行可能」の看板もあった。

これは信用すべきか?いやでもだめならそもそもこんな立て看板ないだろう。それにここまで来ていけませんでした、は流石にちょっと笑えない。

意を決して行くことにした。きちんと舗装されているとはいえ、山道は山道である。サルの1匹でも突然ひょっこり顔を出してもまったく不思議ではない。下手な肝試しよりぜんぜん怖い。音楽を聴きながら歩かないとやってられない。途中、道を降りていく人とすれ違ってかなりホッとした。

それにしても仙台に来てまで何してるんだ、と思いながら山道を上がること10分。

ようやく伊達政宗騎馬像にやってきた。

しかしここの見どころは、この派手にライトアップされた伊達政宗ではなかった。

広瀬川の向こうに見える、仙台のビル群。

仙台国際センターの後ろにも広がっているこの夜景。

正直、今年一番美しい風景を眺めているなと思った。東北一の大都市は美しくも大都会だった。ずっとずっとずっと、AmazonMusicで『青葉城恋唄』をリピートしながら、この夜景をぼけーーーっと眺めていた。伊達政宗を拝むはずが、気づけば仙台の夜景に酔いしれていた。
 

国際センター→青葉通一番町

さすがに帰りは地下鉄に乗った。

この地下鉄東西線に乗るとホテルの最寄りは青葉通一番町駅となる。駅を出るとアーケードに、仙台七夕まつりの装飾があった。東北は夏祭り真っ只中である。

ホテルの近くに「晩翠草堂」という、『荒城の月』を作詞した土井晩翠が住んでいた家があった。ここは「晩翠草堂前」として、観光名所というよりかは交通の要所として定着しているらしい。目の前にあったセブンイレブンでお茶を買って、長い長い1日が終了した。

つづきはこちら↓