SH Diary.

旅行記、ときどき野球。

2023夏・東北社会見学ツアー【その2:灼熱の山形、そして松島へ】

その1はこちらから↓

山寺→山形

山寺到着から看板通りちょうど2時間後の電車で移動する。ここまで来ると20分もあれば山形市内まで出られるので、せっかくなので山形駅へ向かう。

ちょうど12時なのでここで昼食を取るのだが、たまたまやってきた山形新幹線「つばさ」を見て、そういえばここは米沢が近いことを思い出す。米沢といえば「牛肉ど真ん中」という著名な駅弁がある。もしかしたら売ってるのでは・・・?

と思い、改札を出て土産物屋に直行すると、なんと大量に山積みされていた。当たり前のようにひとつ購入する。

とはいえここ山形での本命は「冷やしラーメン」である。

ラーメンの消費量が実は日本一の山形。「冷やしそばがあるなら冷やしラーメンもできるだろう」とある店の常連が一声発したのをきっかけに開発され、山形市内では多く提供されている。こんなに暑い日にはやっぱりこういうものを食べたい。

しかし山形は(京都同様)盆地なので、東北地方の中でも暑い部類に入る。目的の店まで1.5kmを歩こうとしたが、山形駅から歩きだして10分もしないうちにコンビニへ駆け込み冷たいペットボトルの水を買う。それを首筋に当てながら歩かないと、これはおそらくぶっ倒れるレベルの暑さ。

少し道に迷いながらもようやっとここを曲がれば目的の店が見えてくるというところまでやってきた。もうTシャツは汗で重たくなっている。早いこと涼しい店内で、冷たいラーメンを食べることで生き返りたい。

しかし、曲がった瞬間見えたのは・・・

目的の店への入店待ちの大行列だった。

今回行こうとしていたのはこの冷やしラーメンの発祥の店だったので、日曜だし混まないわけがなかろうとは思っていたが、それでもこの行列はさすがに心が折れる。忙しそうな店員に無理くり声をかけて入店の目安時間を聞いたら「30分待ち」だという。

春に秋葉原の青島食堂に行ったときは40分並んだが、この冷やしラーメンはここが発祥というだけで、もちろんほかにも提供している店はある。時間的にも体力的にもこの炎天下を30分待つのは明らかに悪手と判断して、店を移動することにした。

すぐ近隣の店は空いていたのでここに入る。

まずラーメンにきゅうりというのが目を引くが、もうひとつ薄茶色の見慣れない具材も入っていて何だこれ?と思ったら、ラーメンスープを凍らせたもの。なるほどこうして冷たくして出てくるわけだ。

山形駅から灼熱の中30分以上かけてたどりついた1杯の冷たいラーメン、こんなものがまずいわけがない。夏に最高のラーメンだった。
 

山交バスターミナル→仙台駅前

花笠まつりの装飾が華やかな中、再び炎天下の山形市内を歩き、山形駅までは戻らずにその手前の山交バスターミナルというところへ向かう。

これから仙台へ戻るのだが、山形~仙台は朝乗った仙山線よりもバスが便利な手段として知られている。こうした都市間高速バスは1時間に1本もあれば十分本数が多いイメージがあるが、

山形~仙台間はなんと昼間でも15分に1本というものすごい本数で運行されている。平日朝は数分間隔で、休日の午前中も10分に1本出ている。大阪や東京など大都市圏の鉄道クラスの本数である。というわけで、帰りはバスで仙台へ戻ることにした。

少しお手洗いへ行った後、仙台行きのバスのチケットを買おうとすると、先客がひとりいた。その先客は買うなりそのまま後ろに停まっていたバスへ駆け込んでいく。よく見るとそのバスは仙台行き、しかもその先客が乗った直後にドアが閉まり走り去っていった。

やっちゃったなと思ったが、何も慌てる必要はない。次のバスはまたすぐにやってくる。

バスターミナルの地下のスーパーで少し買い物をして、15分後のバスで仙台へ。

ちなみに山形~仙台間の運賃は1000円。回数券も用意されている。たしかに両都市は隣り合っているが、ここまで人の往来の需要が高い関係性にあるとは思ってもいなかった。山形市内の途中停留所でもかなり多く乗客がいて、本当に15分ヘッドでも需要があることを実感。

1時間少しで仙台に戻ってきた。もっとも降りたのは仙台駅からほど近い仙石線あおば通駅前。ちょうどホテルのチェックイン時刻が15分前といい時間になったので、休憩も兼ねて先にホテルへ向かうことにした。

本当は仙台行きのバスで開ける予定だったが、バスにテーブルなどの設備がなかったのと道中見事に寝てしまったので、ホテルに入ってからさっき山形駅で買った「牛肉ど真ん中」を食べる。さすがは牛肉どころの山形、これはめちゃくちゃ美味しかった。
 

仙台→松島

食後いったんシャワーを浴び、着替えも完了したところで再び出発。このあとは青葉城跡を見て、せっかく来たので楽天生命パーク宮城の球場も見物して1件行きたい店へ行くはずが、休憩中にその店がなんとこの日は通常営業をやっていないことが発覚。時間が少し空いてしまった。

調べると青葉城跡はかなり遅い時間まで伊達政宗騎馬像のライトアップをしていることがわかったので思い切って夜に回し、日没まであと2時間は日本三景・松島へ足を運ぶことにした。

ついでなので明日の行程を確認するため、仙台駅の観光案内所に立ち寄ったがあまりめぼしい情報もなく、仙台といえば、なサンドウィッチマンのポスターだけ拝んで案内所を出る。

仙台駅から松島方面へはJRでもルートが複数ある。だが、仙石線で松島海岸駅へ向かうルートは20分以上電車がない。一方で東北本線松島駅へ向かうルートはなんと3分後の出発なので、これは迷わず東北本線ホームへ。ハウンドドッグの『フォルテシモ』が鳴り響き、電車はゆっくり仙台駅を発車。

途中、石ノ森章太郎のアニメキャラクターが描かれた車両とすれ違う。

松島駅で降りたら、いきなりおばちゃんが道を聞いてきたが、自分もこの街ははじめてである。わかるわけがない。

とりあえず国道45号線に出て南へ松島海岸を目指す。ちなみに松島駅から松島海岸駅はJRの別路線だが歩いて15分と、観光ならばちょうどいいくらいの時間距離である。しかもその間に見どころがかなりあるので、行きは松島帰りは松島海岸、と駅を使い分けるのはよかったかもしれない。

向こうに見えるのは福浦島。ここはどうもこの赤い橋を渡るのに料金が必要らしいのだが、時間も遅くすでに入口が閉まっている。しかしなぜか裏口らしきところが空いており、そこからどんどん人が入って橋を渡っていたのだが、あれはよかったのだろうか?

閉門10分前の松島五大堂から松島の風景を堪能する。

瑞巌寺の総門から見える松島の風景もまたすばらしい。

17時すぎと寺社仏閣系がほぼ終了していたのはしょうがないが、それでも夕刻の良い時間の松島を堪能することができた。もっとも海が東側にある関係で夕日が海へ沈んでいくという風景はあまり期待できないが、それでも夕暮れの松島は美しく、心が洗われる時間になった。

そして松島で忘れてはならないのが、いたるところに津波避難場所への案内図が示されていたこと。福浦島への橋も東日本大震災津波で損壊し、台湾の援助を受けて復旧したという看板もあった。

自分のような旅行者がもしもここで津波が来ることを知った場合、どこへ逃げればいいのか分からぬまま津波に飲み込まれるというのが一番最悪なシナリオである。こうした看板で避難経路を確認しつつ、冷静に避難できるのだろうか?と常に考えながら、松島を巡った。

そしてそれは明日以降、さらに強く意識付けられることになる。

つづきはこちら↓